ノイタミナ2015年ラインナップ発表会の模様

放送開始10周年を迎えたフジテレビのアニメ枠『ノイタミナ』の2015年ラインナップ発表会が11月27日に都内で行われ、2009年に亡くなった作家の伊藤計劃(けいかく)さんと芥川賞作家の円城塔による共著『屍者(ししゃ)の帝国』が劇場版アニメとして製作されることがわかった。伊藤さんの作品をアニメ化する“Project Itoh”の一環として、すでに劇場アニメ化が決定している『虐殺器官』『ハーモニー』とともに2015年に劇場公開される。

『屍者の帝国』は伊藤さんが残した30ページの序文を、盟友として知られる円城氏が書き継いで完成させ、第33回日本SF大賞特別賞を受賞。産業革命を経て活気づく19世紀末のロンドンを舞台に、ホームズの相棒となる以前の医学生ジョン・ワトソンが、新たな労働力として蘇生された死者=屍者のフライデーを伴い、世界中を冒険する。牧原亮太郎監督がメガホンをとり、『進撃の巨人』のWIT STUDIOが制作を手がける。

この日は『虐殺器官』『ハーモニー』のスタッフ情報も解禁され、それぞれ村瀬修功監督×制作manglobe、なかむらたかし監督×マイケル・アリアス監督×制作STUDIO 4℃が手がけることが明らかに。あわせて全3作のキャラクター原案をredjuiceが担当することもわかった。

また、2015年4月以降の放送ラインナップとして『パンチライン』(上村泰監督×制作MAPPA)、『乱歩奇譚 Game of Laplace』(岸誠二監督×制作Lerche)、『すべてがFになる』(神戸守監督×制作A-1 Pictures)、『甲鉄城のカバネリ』(荒木哲郎監督×制作WIT STUDIO)を発表。近年、1週間に2作品がオンエアされた同枠だが、15年度は「劇場版アニメ製作への注力」を目的に、1作品の放送になる。

会見では、人気アニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(あの花)のスタッフが再集結するオリジナル新作アニメについてもアナウンスがあり、きたる12月3日にファンの聖地である埼玉県秩父市で開催される秩父夜祭でタイトルが発表される。

取材・文・写真:内田 涼