左から、ルウト、AKIRA  撮影:源 賀津己 左から、ルウト、AKIRA  撮影:源 賀津己

樋野まつりの同名コミックを原作に2008年にアニメ化、好評を博した『ヴァンパイア騎士』(ヴァンパイア・ナイト)。昨年ついに連載完結となった本作が、ついに舞台となってお目見えする。ヴァンパイアと人間が織りなすゴシックテイスト満載の物語。その世界観を担うキャスティングに注目が集まったが、主人公の黒主優姫(くろすゆうき)に乃木坂46の若月佑美、また彼女が慕う玖蘭枢(くらんかなめ)にはAKIRA、さらに優姫の幼馴染・錐生零(きりゅうぜろ)にはルウトが決定。AKIRAとルウトは男装モデルとして絶大な人気を誇るだけに、そのハマりようが早くも話題だ。

舞台『ヴァンパイア騎士』チケット情報

物語の舞台は名門・黒主学園。一般生徒が通う普通科(デイ・クラス)の1年生・黒主優姫は、錐生零と共に風紀委員として、美形のエリートばかりが集う夜間部(ナイト・クラス)に騒ぐ生徒たちを取り締まっていた。実は、夜間部の生徒は全員ヴァンパイア。優姫と零は、ヴァンパイアと人間が共存するための“守護係(ガーディアン)”の任務も担っているのだ。ヴァンパイアを憎む零とは対照的に、10年前、ヴァンパイアに襲われた時に、今は夜間部のクラス長を務める玖蘭枢に救われた優姫は、両者の共存に希望をもっていたのだが…。

「元々“ヴァンパイアもの”は大好きなんですが、さらに“学園もの”の要素が加わって、物語が複雑に絡み合うのが面白いんです」と作品の魅力を語るAKIRA。ルートも「ヴァンパイアたちがそれぞれに個性的なところに惹かれます」と話す。ちなみにAKIRAはボーイズスタイルのモデル業の傍ら、歌手・女優としても活動中。今回が初の“男性の役”となる。「自分の人生で男役を演じるとは思わなかったのでビックリしてます」と言うが、「私も漫画やアニメが好きなので、舞台化にあたって期待と不安のある原作ファンの方の気持ちは分かります。今は原作を読み込んで、役をしっかり体に叩き込まないと!って思いますね」と意気込み充分だ。対するルウトは、男性ファッション誌でメンズの服も着こなす男装モデル。本格的な舞台は2作目で、続いての男役だ。「原作のファンってキャラクターに対するイメージは人それぞれですよね。だから基本設定は押さえた上で、自分らしい零を演じたい。それで“ルウトの零”を好きになってもらえたら」と、本作への想いを語ってくれた。

普段から仲がいいとあって、取材中もポンポンと会話が飛び交うふたり。「受け入れてくれる人には懐くところは、自分も零に似てるかな」とルウトが話すと、AKIRAが「私は枢のように暗くないからどうしようね」と返し、さらにルウトが「ファンの方はクールなAKIRAさんを見たいと思うから、大丈夫!」とフォローするなど息もぴったり。男装女子の“彼ら”だからこそ客席に届けられる世界。その本番が、今から楽しみだ。

公演は1月21日(水)から25日(日)まで東京・博品館劇場にて。チケットの一般発売は12月6日(土)午前10時より。

取材・文 佐藤さくら