――レピッシュは、日本初のミクスチャー・バンドです。パンク、NW、SKA、ファンク、サイケ、HIPHOP等の様々なサウンドを取り入れてスタイリッシュかつアッパーに展開してみせた開拓者であり、またそこには乱暴と繊細、お洒落と下品といった相反するものをことごとく両立させる、多面的な魅力に溢れたバンドでもある。そうしたレピッシュの魅力、皆がレピッシュというバンドに対して持っているイメージは、今回、どんな感じに発展もしくは展開されていくんでしょう? これから作るわけだから詳しく話せないのは承知の上で、マグミさんのイメージを教えていただけませんか?
「そうだな、皆がこれまで経験してきたものが活きるような……それと、もともと音が弾けてるバンドなわけで、それらがいい感じで合わさったアルバムになるといいなって思ってる。そんでやっぱり、前向きなのが作れたらいいなあって。歌詞の内容とかそういうのは置いといて、アルバム全体の資質として前向きなものができたらいい、レピッシュっぽく前向きな感じにね」

――素敵な作品に仕上がりそうですね。
「ちなみに、これが仕上がれば通算13枚目のオリジナル・アルバムになるんだよ。幸せなことだよね、ひとつのバンドで13枚もアルバム作れるなんてね(笑)。まあ、全部これからだから、もうちょっと待っててください」

――はい! さあそして、そのレコーディングと平行してになるのかな? 4月のARABAKI ROCK FEST.12への出演をはじめに、単発ライブの予定がいくつかある。
「うん、その予定。で、その後、秋ぐらいにアルバム・リリースして、その後にツアーを回る予定だよ」

――なんか嬉しいです、素直に。
「いい感じでレピッシュやれるといいなあって、俺も思う(笑)。去年さ、恭一のバンドと一緒に日本中ツアーで回ったんだけど、すっごく新鮮だったんだよ。付き合いが異様に長いはずの恭一自体まで新鮮に思えてさ(笑)。しかも今回、奥野くんも入るやろ? ほんと新鮮で、俺自身わくわくしてるんだよ。きっとまた面白い化学反応が絶対あるよ。っていうことで、俺たちの次のアルバムタイトルはケミストリーにしましょうか! って言うとまたややこしいことになる(笑)」

――タツさんがイヤそうな顔するんじゃないですか?
「そう、それが狙い!(笑)。なのはいいとして、ほんとにね、恭一は特に、新鮮な何かがあると、それをきっかけに大きく弾けるヤツなのね。だから奥野くんが入ることでピーンと弾けるものが絶対あるし、矢野くんからもあると思う」

――では、恭一さんのさらなる爆発を促すために、マグミさんやタツさんもより一層新鮮な何かを生み出さねばなりませんね。例えばマグミさんなら……今世紀最高峰のギャグを開発するとか?
「あっ、それ! 去年のね、恭一と一緒に回ったツアーの札幌! 俺ね俺ね、相変わらず下らないギャグを連発してたんだけどさ、札幌の箱っていうのが楽屋と袖の仕切りがないとこで、楽屋にいた恭一に俺のギャグが丸聞こえだったんだよ。で俺がギャグ言うと、お客さんはみんなシーンとしてるんだけど、楽屋のほうから『だあっはっはっは!!』って大爆笑が聴こえるんだよ。しかもフロアがシーンとしてるだけに、すんげえ響く(笑)。つまりお客さん誰も笑ってないのに、恭一だけが笑ってるんだよ!」

――すごいっすねそれ、恭一さんが。だってこの取材の最中もマグミさん、随分と下らないギャグを連発されてますが、一切笑えないので、私、記事では全カットしますよ?
「おいっ! でもまあとにかく、杉本(恭一)はわかってくれる(笑)。だから俺のギャグからもきっと化学反応を起こせるな、うん!」

 

ライブ、イベント出演に加えて、待望の新作のリリース、そして全国ツアーと、すこぶるつきで盛り沢山の一年になりそうなLÄ-PPISCH。どうぞ彼等の爆発に注目あれ!

●現在チケットぴあにて、3月3日(土)川崎クラブチッタのワンマンライブの、先行抽選「プレリザーブ」2次受付を実施中!
申し込みは1月30日(月)11:00まで。お早めに!
 


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MAGUMI

杉本恭一
上田現
 

札幌生まれ杉並育ちの音楽ライター。パンク、ハードコア方面に精通する一方、特撮やホラーにも熱い愛情を注ぐ。著書『ジャパニーズ・オルタナティヴ・ロック・特選ガイド』(音楽出版社)が好評発売中。

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