夢見るシンデレラが舞う。新国立劇場バレエの贈物

2014.11.28 12:28配信
新国立劇場バレエ団「シンデレラ」 写真提供:新国立劇場

クリスマス・シーズンには華やかなバレエがよく似合う。新国立劇場は1998年の劇場オープンから毎年、このシーズンに《くるみ割り人形》と《シンデレラ》の2つのバレエを交互に上演している。今年は《シンデレラ》。継母や義理の姉たちにいじめられているシンデレラが妖精の魔法でドレスアップ。かぼちゃの馬車でお城の舞踏会に出かけていって王子さまに出会い……。いうまでもなく、シャルル・ペローのおなじみの童話が原作のバレエだ。

新国立劇場バレエ団「シンデレラ」の公演情報

新国立劇場の《シンデレラ》は、20世紀の名振付家フレデリック・アシュトンが英国ロイヤル・バレエ団(当時「サドラーズ・ウェルズ・バレエ団」)のために振付けた1948年のプロダクション。バレエの古典的風格を保つ抒情的な舞台は、世界中の数多くのバレエ団によって上演されている、《シンデレラ》の定番だ。現在アシュトン版オリジナルの豪華な舞台美術を観ることができるのは、世界でも新国立劇場だけ。妖精の魔法、宮殿の舞踏会、シンデレラと王子との出会いなど、ため息の出るような美しい場面の連続は、初めてバレエを観るという人や子どもたちでも素直に入り込みやすいはず。しかも、少しネタばれかもしれないけれど、このアシュトン版は意地悪な姉たちを男性ダンサーが演じるので、随所で笑いも起こるなど、ユーモアの要素を織り込んだ舞台であることも親しみやすさを増している。

音楽は20世紀前半に活躍したロシアの作曲家セルゲイ・プロコフィエフ。初期には当時の前衛音楽に傾倒したプロコフィエフだが、この《シンデレラ》は19世紀以前の古典音楽に回帰した保守的なテイストで書かれていて、全編を美しいメロディが貫いている。とはいえそこは20世紀の作曲家。色彩豊かなオーケストラの響きはときに斬新かつ幻想的。TVドラマや映画の音楽で実はなにげに現代音楽的な響きに馴れた私たちの耳にもなじみやすい適度な新しさが、《シンデレラ》の物語に似つかわしいファンタジーを生み出している。

コアな新国バレエ・ファンにとっては、今シーズン新国立劇場バレエ団に入団したばかりの伊澤駿が早くも王子役に抜擢されたのも大きな見どころだ(12/21公演)。

観る人を幸せな気分に包みこむ美しい夢の舞台で繰り広げられる永遠のファンタジー。クリスマス・シーズンにふさわしい、華麗で贅沢なバレエ体験を!

文:宮本明

◆新国立劇場バレエ団「シンデレラ」
【日程と出演者(シンデレラ&王子)】
12/14(日) 14:00開演 小野絢子&福岡雄大
12/18(木) 19:00開演 米沢唯&菅野英男
12/19(金) 14:00開演 長田佳世&奥村康祐
12/20(土) 13:00開演 小野絢子&福岡雄大 ★ぴあスペシャルデー公演
12/20(土) 18:00開演 米沢唯&菅野英男
12/21(日) 14:00開演 寺田亜沙子&井澤駿
12/23(火・祝) 14:00開演 長田佳世&奥村康祐

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