3. 悪いところを褒める

さらに上級者向けの褒め方は、“悪いところを褒める”という褒め方です。

といっても「君の掃除をしないところが最高だね!」など嫌味を込めて褒める、というわけではありません。
いつも遅刻してくる人が、たまに遅刻をしなかったときに「時間通りにきてくれてありがとう。」というように伝えるのです。

悪いところをほめると効果抜群です。なにしろ、「ああ、こうすれば喜ばれるんだ。」と悟ることができるので、相手の行動の変化が期待できます。

この褒め方は一見簡単そうですが、実はかなり難しい方法です。

人間はどうしても悪いところに目がいってしまいますし、普通の行動であればあるほどその素晴らしさや有難みに気付かず、むしろ当然だと思ってしまう。

子育ての場合はひとつできたら褒めることを繰り返しますよね。これってとても大切なこと。恋人や夫婦、友達でも、どんどん褒めていきたいですね。

男女で違う!?オススメの褒め方

恋愛の場だけでなくビジネスの場でも、褒めることは相手の長所を伸ばすのに必要不可欠です。

さらに同じ”褒める”のであれば、相手の気分が良くなり、やる気が出る褒め方の方がいいですよね。この嬉しくなる褒められ方にも、男女で傾向に違いがあります。

男性を褒めるときは

恋愛の場であれば、男性相手には”すごいところ”、例えば過去の栄光を褒めるだけでも喜ばれます。

ビジネスの場なら、相手が男性の場合“結果”を褒めてみてください。

大昔、男性は狩りをしていました。重要なことは、食料を調達できたかどうか。つまり結果を出すことを求められていたのです。

ですので、「〇〇さん、今回のプロジェクトでは損益が10%改善した、本当にすばらしいよ」など、その人が出した結果が明確に表れるような誉め方がオススメです。

女性を褒めるときは

一方、女性は近代に入るまで家庭を支えることを仕事の中心としていました。
それは成果が大きく出るものではなく、いつも快適に過ごすには、という毎日の細かい積み重ねが重要だったのです。

そのため、「〇〇さん、今回のプロジェクトでは新人たちの気持ちを察して上手に事を運んでくれたね、すばらしいよ、ありがとう」「毎日遅くまでやってくれてありがとう」など、女性の場合は結果ではなく“プロセス”を褒める方が、相手の心に響きやすくなります。

褒めるときは人前で褒める…な?

人前で褒めると、褒められた人は嬉しいですし、周囲の人も羨ましい気持ちになったり「よし、私も!」と思ったりします。

特に男性は別の人が褒められると「よし、あれ以上にやってみせる!」と対抗心を燃やす傾向にありますから、人前で褒めることは周りの人の成長を促すのにも効果的だと言えるでしょう。

しかし、女性が“仲良しグループ”を作っている場合、“ちょっとしたこと”を“個人”に褒めるのであれば、相手が独りの時に褒める方がオススメです。

個人のちょっとしたことを人前で褒めると、羨ましいという気持ちから仲良しグループの他の人に「同じ仕事をしてるのに、あの子だけ」と受け取られてしまうことがあるからです。

ですので、素晴らしい成果が出たときや、グループ全体を褒めるときは皆の前で褒めて、個人のちょっとしたことを褒めるときは相手が独りのときに、と使い分けてみてはいかがでしょうか。

折角褒めるのなら、本人にも、周囲の人にも、気持ち良くなってもらえる褒め方を目指していきたいですね。

原作:織田隼人

フリーの漫画イラストレーターです。シンプル・かわいい絵柄からギャグ調の絵柄まで、様々なイラストカットや4コマ漫画などを描いております。心理に関係することやファッションについて考えたり調べたりするのが大好きです。