NHK「おかあさんといっしょ」のうたのおにいさんで知られる、横山だいすけの新作ツアー『だいすけお兄さんの世界迷作劇場2018-19』が、7月21日、泉佐野市のエブノ泉の森ホールで幕を開けた。

「だいすけお兄さんの世界迷作劇場2018-19」チケット情報

ミュージカルとコンサートで構成された『世界迷作劇場』は、昨年、横山が、うたのおにいさん卒業後に初上演し、来場者数10万人以上を集めた。シリーズ第2弾となる今回も、会場には親子連れの観客が続々と詰め掛けている。

舞台には映像で桃が映し出され、その桃から、元気よく横山が飛び出す。第1部のミュージカル『桃太郎』の始まりだ。『迷作劇場はじまるよ』などのオリジナル曲を、横山がのびやかにさわやかに歌い、観客を惹きつける。ここでは、誰もが知る『桃太郎』とはちょっと違い、横山扮する桃太郎は、育ての親のおじいさんとおばあさんに「いつまでも家でゴロゴロしていて情けない。早く独り立ちしなさい」とたしなめられる。かなりグウタラな桃太郎のようだ。また、猿や鳥のほか、格言をとなえる一風変わった犬のおじいさんも登場し、大人も楽しめる。キャストがボケたりずっこけたりして笑いを取るシーンも多い。「世界の名作を不思議に面白おかしくしたいので、今年は笑いの要素を強くしました。こけ方やツッコミ方をキャストそれぞれが、お笑いの映像を見て学んだりしたんです。僕らお笑いの集団だったかなと思うくらい、稽古を重ねました(笑)」と、横山が話していた通りだ。ほかにも『鬼のパンツ』で横山がオペラ調の歌い方で美声を響かせたり、『犬のおまわりさん』で会場中が大合唱になったりと盛り上がりを見せた。

第2部はコンサート形式で展開。横山が「僕のフリートークも迷うかも知れませんが(笑)、温かく見守って下さい」と観客に語りかけ、『あつまれ!笑顔』『まほうのとびら』などの楽曲を安定した歌声で披露する。「おかあさんといっしょ」でおなじみの『ぼよよん行進曲』では、横山をはじめ、キャストも客席の子どもたちも皆、一緒になって大ジャンプ。小さな赤ちゃんは、親に“高い高い”され、その場で行進し始める子どもたちも。会場が大きく揺れ、大いに沸いた。終演が近づくと、子どもたちは「だいすけお兄さーん」と名残惜しそうに叫んでいる。「お客さんの目がキラキラすることが何よりもうれしい」と、横山。子どもたちは純粋に音楽や物語、舞台の楽しさに触れ、大人はそんな子ども時代のキラキラを懐かしく思い出すような時間だった。

夏休みツアーでは9月1日(土)まで全国28会場で全58公演を実施。チケットは発売中。

取材・文:米満ゆうこ