the pillows、11月30日茨城・水戸ライトハウスでのライブの模様 the pillows、11月30日茨城・水戸ライトハウスでのライブの模様

the pillowsが11月30日茨城・水戸ライトハウスより、新作を携えた全国ツアー「moondust tour」をスタートさせた。

【チケット情報はこちら】

今年結成25周年を迎えたthe pillowsが新作『ムーンダスト』をリリースしたのが10月22日。前作リリースとツアー後に活動休止、山中さわおのソロアルバムのリリースとツアーがあったため、新作を携えたツアーは約2年半ぶりだ。

「久しぶりじゃないか、みんな元気かい?」。お決まりのMCに怒号にも近い歓声が起こると「声でっけえな」と嬉しそうな山中。「ツアー初日、初々しい僕たちを、仕上がっていない俺たちをまんまと観に来たな(笑)」と続け、新作からのナンバーを中心に熱いロックンロールを繰り出す。ライブ初披露の新曲もCDよりさらにエモーショナルに歌い上げ、場内のボルテージを一気に上げていく。

MCで山中は「今年は俺たち25周年って言ってやってきたけど、ここ水戸ライトハウスも25周年だそうです。(当日収録に入っていた)スペースシャワーTVも25周年ですよね」と縁を感じる初日に触れ、「25年やっても”まだまだだな”と思うのは昨日、新宿の服屋さんに入ったとき、大学生くらいの男の子ふたりとすれ違ったら”あっ、今のthe pillowsのボーカルだ、まじか”みたいな(笑)。そっか、まださわおさんって定着しないんだ」と自虐的なエピソードを披露。

演奏されるセットリストも新作からの曲を核に、これまでのキャリアの中からフィットするナンバーを織り交ぜて、躍動感と感動が湧き上がる構成。積み重ねてきた年輪と、25年を経て未だロックに魅せられた少年のような瑞々しさが同居するステージは実に希少だ。

また、メンバー紹介の時、茨城出身の佐藤シンイチロウ(ds)が20年ほど前に共演したバンドが、関西出身なのに岩手で”岩手のみんな、帰ってきました。岩手は第二の故郷です”と言ったことにびっくりしたと語り「残念ながらthe pillowsは大衆に媚びないのでそういうことを今まで言ってこなかったけど、今日は言ってみようかな。茨城は僕の第二の...、あれっ、第一の...」と言いかけ、山中に「ややこしいわ、唯一の、でしょう」とツッコまれ、会場の笑いを誘った。

アンコールに2度応え、満足そうな笑顔を浮かべた山中は、「今日はね、初日だし、初日はいつもフワフワしてるところを見せてる。だけど”今日の俺は違う!”と思ったら違わなかった(笑)。ここから俺たち元気に、仲良く(笑)、ツアー回ってくるよ。ツアー中、また新曲作るよ。ありがとう、楽しかった」と締めくくった。ツアーは来年3月28日(土)東京・Zepp Tokyoまで続く。

また同ツアーでは、アルバム『ムーンダスト』を購入か、来年1月21日(水)に発売される結成25周年記念ライブの模様を収めたDVD・Blu-ray作品を予約すると、その場で「オリジナルクリアファイル」が貰えるキャンペーンを実施。参加予定の方はご確認を。

取材・文:浅野保志(ぴあ)