フェルメール展の音声ガイドを務める石原さとみ 撮影:吉田 タカユキ フェルメール展の音声ガイドを務める石原さとみ 撮影:吉田 タカユキ

10月。現存する作品はわずか35点ともいわれる、伝説のオランダ画家・フェルメールの展覧会が、東京・上野の森美術館で開催される。それに先立ち、「フェルメール展」の記者発表会が行われた。

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ヨーロッパ各国とアメリカからはるばる海を渡ってくるフェルメールの作品は、日本初公開となる2作品を含む計8点。この点数は、2008年に東京都美術館で開催された際の7点を上回り、日本美術展史上最多となる。そのほか、フェルメールと同時代に制作された、17世紀のオランダ絵画約50点が集結する同展覧会は、全6章構成。単に時代を追っていくだけの展示ではなく、肖像画・宗教画・風景画・静物画・風俗画と、その特徴ごとに作品を楽しめる。第6章は「光と影:フェルメール」と題され、今回公開されるフェルメール作品8点を、展示の最後に存分に堪能することができるのだ。

これらの8作品は、ひとつの部屋で一挙に目にすることになる。名づけて「フェルメール・ルーム」。フェルメール本人でさえも見たことのないであろう、なんとも稀有で贅沢な空間が実現する。

見る人の想像を掻き立てる瞬間を切り取った、繊細な情景を描くフェルメール。決して流行にとらわれない、個性豊かなファッションに身を包む女性をモチーフに選び、その表情や何気ない仕草を、的確かつ色彩豊かに描写する。作品ごとに印象の異なる自然の光と影を美しく描く、彼の技術力の高さにも注目したい。

会場での音声ガイドを担当するのは、女優の石原さとみ。音声ガイドは、なんと来場者全員に無料で提供される。美術が好きで、普段からよく美術館に足を運ぶという石原は「フェルメールが当時、どういう気持ちで何を伝えたくてそれぞれの作品を作っていたのか――。来場する皆さんの心を揺さぶり、楽しんでいただける手助けとなれば」と意気込みを語った。

フェルメール展は、10月5日(金)から2019年2月3日(日)まで。チケットは日時指定入場制となっている。10月分のチケットはいよいよ明日7月25日(水)発売開始。この秋、日本で起こるフェルメールの奇跡を体験しに行ってみてはいかがだろうか。

取材・文:飯塚さき