受賞メーカーが一堂に会する

ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジア(SCEJA)は、12月3日、ゲーム機「PlayStation」関連のタイトルを表彰するイベント「PlayStation Awards 2014」を開催し、受賞タイトルの発表と表彰を行った。

1994年12月3日に初代「PlayStation」が登場して以降、毎年開催している「PlayStation Awards」。その年にユーザーから高い支持を得たタイトルや、累計出荷枚数・ダウンロード数が多かったタイトルを表彰している。

今年は、「PlayStation」の誕生から20年という節目の年。20周年記念として、過去19回の「PlayStation Awards」で「Platinum Prize」「Gold Prize」を受賞したタイトルのなかから、ユーザーの投票で5タイトルを選出する「20周年記念ユーザーズチョイス賞」も発表した。

冒頭、SCEJAの盛田厚プレジデントが、「今年の『PlayStation Awards』は、20年のゲーム愛をもち続けてくれた皆さまに感謝の気持ちを込めて贈る。また、最新の『PlayStation 4』は、国内で100を超えるタイトルをリリースしているが、12月から来年にかけて、ラインアップを増やしていく。『PlayStation』ならではのエンタテインメント体験の提供に、これからも尽力していく」と挨拶。

●今年ユーザーが選んだ10タイトルを発表

ユーザーからの高い支持を得たタイトルを表彰する「ユーザーズチョイス賞」には、10タイトルが選出された。2013年11月1日~2014年10月31日の間に、日本を含むアジア地域で発売・配信したタイトルのうち、ユーザーからの投票数上位10のタイトルが選ばれた。

受賞したのは、「バトルフィールド 4」「アサシン クリード4 ブラックフラッグ」「METAL GEAR SOLID V:GROUND ZEROES」「inFAMOUS Second Son」「ウォッチドッグス」「The Last of Us Remastered」「Destiny」「英雄伝説 閃の軌跡II」「FIFA 15」「サイコブレイク」。

●「Gold Prize」は7タイトルが受賞

累計出荷枚数・ダウンロード枚数が多かったタイトルには「Platinum Prize」「Gold Prize」が贈られる。今回、合計100万本以上のタイトルに贈る「Platinum Prize」は該当タイトルがなかったが、50万以上の「Gold Prize」には、7タイトルが選ばれた。

受賞したのは、「実況パワフルプロ野球2013」「バトルフィールド 4」「ワールドサッカー ウイニングイレブン 2014」「GOD EATER 2」「グランツーリスモ6」「FINAL FANTASY X/X-2 HD Remaster」「METAL GEAR SOLID V:GROUND ZEROES」。「バトルフィールド 4」と「METAL GEAR SOLID V:GROUND ZEROES」は、ユーザーズチョイス賞とダブル受賞だった。

「バトルフィールド 4」の開発者代表として、エレクトロニック・アーツの厚地陽子日本パブリッシング シニアプロダクトマネージャーが登壇し、「我々にとって、大きな意味のある賞。ファンの方々にお礼を申し上げます」と喜びを語った。

開発元・DICEのプロデューサーからのビデオメッセージも届き、「私たちにとって『バトルフィールド』は自信作。今後もコミュニティの皆さんとともに、ゲームバランスや、さまざまな改善に積極的に取り組んでいく」とコメントした。

「METAL GEAR SOLID V:GROUND ZEROES」の開発者代表、小島プロダクションの監督でもあるコナミデジタルエンタテインメントの小島秀夫エグゼクティブコンテンツオフィサーは、「『METAL GEAR』は、27年前にPC向けとして発売したが、そのときは知る人ぞ知るカルトなタイトルだった。1998年に『PlayStation』用の『METAL GEAR SOLID』を発売したのをきっかけに、世界でブレイクした。『PlayStation』のおかげで、いまの『METAL GEAR SOLID』ブランドがある。『GROUND ZEROES』の本編である『PHANTOM PAIN』も期待を裏切らないものにしたい」と話した。

●「PlayStation」の20年の歴史を彩る思い出深いタイトルたち

「20周年記念ユーザーズチョイス賞」の発表の際には、「PlayStation」の生みの親として知られる久夛良木健さんが、「20周年ということで、ぜひユーザーの皆さんに、この20年間で最も心に残るタイトルを選んでいただいて、そのタイトルを表彰したい」と、この賞が生まれた経緯を説明した。

受賞したのは、「FINAL FANTASY VII」「FINAL FANTASY X」「METAL GEAR SOLID 3 SNAKE EATER」「モンスターハンターポータブル 2nd G」「グランド・セフト・オートV」の五つ。

「FINAL FANTASY VII」「FINAL FANTASY X」の開発者として、「VII」ではディレクターを、「FFX」ではプロデューサーを務めたスクウェア・エニックスの北瀬佳範ディレクターが登場。「それぞれ『PlayStation』『PlayStation2』で発売する最初のタイトルだった。開発キットが届いたとき、新しいハードに誰よりも早く触れることができる感動で、開発者のテンションが高まった。そのテンションがユーザーに伝わり、長い間支持されたのでは、と思う。これからも長く支持される作品をつくっていきたい」と、当時を振り返りながら話した。

「METAL GEAR SOLID 3 SNAKE EATER」の開発者であるコナミデジタルエンタテインメントの小島秀夫エグゼクティブコンテンツオフィサーは、「『METAL GEAR SOLID 3』は10年前のタイトル。ゲームは時代とともに進んでいくので、人の記憶に残らない、通り過ぎていくものだと思っていた。それが今回、10年たっても覚えていてくれることが証明された。私自身が一番驚いている。30周年のときにもう一度選んでいただけるよう、これからも頑張っていく」と、抱負を語った。

「モンスターハンターポータブル 2nd G」の開発者として、カプコンの辻本良三執行役員が挨拶を。「『2nd G』は6年前に発売したタイトル。開発に携わったスタッフは、20年前はゲーム業界に入る前の一ユーザーだった。それが20周年の記念すべきステージに立たせていただいているのはうれしい。前作で『PSP』の性能を使い切ったと思っていたが、SCEの協力によってさらに性能を引き出すことができた。そうして開発した『2nd G』が選ばれたことがうれしい」と受賞の喜びを語った。