トヨタ・マスター・プレイヤーズ,ウィーン (c)Ayumi Kakamu トヨタ・マスター・プレイヤーズ,ウィーン (c)Ayumi Kakamu

ウィーンの名手たちがずらりと顔をそろえる「トヨタ・マスター・プレイヤーズ,ウィーン」が2015年も来日、4月2日(木)から12日(日)まで全国6都市を巡ってコンサートを開く。

「トヨタ・マスター・プレイヤーズ,ウィーン」2015年日本公演の情報

「マスター・プレイヤーズ」という名称だけ見ると小規模な室内楽を連想する人がいるかもしれないが、さにあらず。「トヨタ・マスター・プレイヤーズ,ウィーン」は総勢30人のれっきとしたオーケストラなのだ(2管編成。指揮者なし)。ウィーン国立歌劇場の特別協力を得て、同歌劇場管弦楽団やウィーン・フィルのメンバーを中心とする精鋭たちが組織する特別編成で、2000年に初来日、2015年で13回目の日本ツアーとなる。企業の社会貢献活動の一環ということもあり、入場料は3千円台からとうれしい価格設定。これまでに計89公演で15万人の聴衆を動員している、息の長い大好評プロジェクトだ。

とにかく顔ぶれが豪華。首席クラリネット奏者として長くウィーン・フィルの木管セクションの「顔」的存在だったペーター・シュミードルが芸術監督を務め、現役ばりばりのコンサートマスター、フォルクハルト・シュトイデを筆頭に、ウィーン・フィルの新旧の首席奏者たちが何人も参加しているから、彼らが留守中のウィーンは大丈夫なのかと心配してしまうぐらい。

演奏曲目は、もちろんモーツァルトやベートーヴェン、ヨハン・シュトラウスII世といったウィーンゆかりの音楽を軸に、3つのプログラムが組まれている。 プログラムAでは安藤赴美子(ソプラノ)が、プログラムBでは菊池洋子(ピアノ)が、ソリストとして共演する。さらにツアー初日に当たる名古屋公演のプログラムCは、後半に恒例となっている名古屋フィルとの合同演奏が組み込まれ、リストの交響詩《前奏曲》とムソルグスキー(ラヴェル編)の《展覧会の絵》を下野竜也が指揮する。

一人ひとりの技術や音楽性の高さはもちろんのこと、同じウィーンの伝統のもとで育まれたメンバー相互のアンサンブルと息づかいが、今回もまた私たちの耳に心地よいウィーンの風を運んでくれるにちがいない。

文・宮本明

◆トヨタ・マスター・プレイヤーズ,ウィーン
〈プログラムA〉
【仙台】2015年4月4日(土) 東京エレクトロンホール宮城
【福岡】2015年4月7日(火) アクロス福岡 福岡シンフォニーホール
【苫小牧】2015年4月12日(日) 苫小牧市民会館 大ホール
〈プログラムB〉
【東京】2015年4月6日(月) サントリーホール 大ホール
【岩手】2015年4月11日(土) 岩手県民会館 大ホール
〈プログラムC〉
【愛知】2015年4月2日(木) 愛知県芸術劇場コンサートホール