前田弘二監督

仕事にかこつけて来たハワイで、個性的な人々と出会い大切なものに気づいていくヒロインみのりを榮倉奈々が好演する『わたしのハワイの歩きかた』のDVDとブルーレイが本日より発売。メガホンを執った前田弘二監督(『婚前特急』)に、映画化へのいきさつや監督としてのポリシーを聞いた。

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「ハワイで1本、映画を撮りませんかという何とも大胆なお話しをいただいたんです。それでとにかく元気の出る、ハワイで思いっきり遊び倒す映画を作ろうと思いました」と入り口を振り返った監督。「観光地としてのハワイだけじゃなくて、いろんな面を巡って見せたいなと。それを成り立たせるにはどうしたらと考えたとき、そうだ、観光ガイドの出版社の編集者をヒロインにしてしまえ!と(笑)」と榮倉扮するみのりが生まれた背景を述懐した。

女性をメインに描くイメージがある前田監督。さらに結婚式の登場も。「ラブコメに強くこだわっているワケじゃないんですが、男女がぶつかり合って感情があらわになったり、言動の矛盾が生まれたり、駆け引きしたり、嘘と本音、ラブコメというジャンルには人間の可笑しみも含め、様々な機微を描けるから好きです」。

そして持論を展開。「映画にはフィクションだからこそ得られる快感がありますよね。たとえば、今回の会社の金を使って遊び倒すなんて普通じゃやっちゃいけないことですよ(笑)。日常には面倒くさいことが多いぶん、せめて映画の中では登場人物は常識に縛られず思いっきり自由でいてほしいなと。映画における登場人物は善良でなければならないという規則はありませんし。人を描くうえで感情のリアリティはとても大事ですが、楽しいウソもつきたいです。感情のリアリティとフィクション、せめぎ合いながらもうまく付き合って、映画としての大きな快感を得たいといつも思っています」。そして次のように結んだ。「本作はおとぎ話的でもあると思うんです。ヒロインは目的なくやけっぱちでハワイへ飛び出すわけですが、そこで様々な人と出会って渡り歩くことで、少しずつ変わっていく。ハワイの空気とともに、その変化を感じ取って日常から抜け出してスカッとしてもらえたら嬉しいです」。

『わたしのハワイの歩きかた』
Blu-ray&DVD発売中
ブルーレイ(1枚組):4800円+税
DVD(1枚組)3800円+税
発売元・販売元:ポニーキャニオン 

取材・文・写真:望月ふみ

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