そう現実にはないものだからこそ、みんな見たくなるのかな

めいが変わるきっかけとなるのが、学校一のモテ男子・黒沢大和(福士蒼汰)との出会いだ。めいに降りかかったあるピンチを救うために大和が取った行動は、なんと突然のキス! そんな大和の積極的なアプローチが、閉ざされためいの心を徐々にほどいていく。そのストーリーには、オクテ&ネクラなアラサー男子である自分も思わずドキドキ&キュンキュンしてしまった。

中でも川口さんがもっともキュンとした場面として挙げたのが、大和が通っていた中学校にめいを連れていき、ある過去を告白するシーン。

「そのあたりからふたりの距離が詰まるシーンなのかなって。大和がめいに弱みを見せてくれるので。ここがふたりのはじまりだと思います。ほんとに気持ちが通い合ってからのめいちゃんと大和の関係性は見てほしいですね。この作品には女の子が憧れる世界観やシチュエーションがすごくたくさん詰まっていて。そう現実にはないものだからこそ、みんな見たくなるのかな」

大和をはじめ、めいを取り巻く登場人物はみな、それぞれに複雑な思いを抱えながらも、ときにはぶつかりながら、ひたむきに他人と向き合おうとしている。そんな彼らとの出会いによって、ある過去のトラウマによってひととの関わりを避けて生きてきためいの心にも、変化が生まれていく。『好きっていいなよ。』は、胸キュン恋愛映画であると同時に、ひととひとのコミュニケーションについての映画でもあるのだ。

「徐々に自分を見せていくっていうか、自分の意見を言ったり気持ちを伝えるときに、なんか苦しかったり、いままでに経験したことのないような気持ちになったりする、そういう気持ちの変化を演じるのは大変でした」

最初は表情が乏しかっためいが、驚き、悩み、笑い、泣き、誰かを信じようとする。ひとりの女の子がグラデーションのように変化するようすを、川口さんは鮮やかに演じきった。恋愛だけではなく、めいは多くの友情も育んでいく。

「 “持つべきものは友”だなと改めて感じますね。特にこの作品の登場人物ってみんな人間くさくて、なにかあったときにめいちゃんを助けてくれる存在でもあって、そういう絆も描かれているので。自分も友だちに助けられることはしょっちゅうありますね。一緒にいてくれるだけで助けられるから。本当に大事にしなきゃいけないなと思います。

ひとってやっぱり大きいですよね。出会うと考え方とか自分の世界が広がるし。仕事もそうですけど、“出会い”は生活の中でかなり大部分を占めるものだし、自分自身もいい方向にも悪い方向にも変わるものだと思うから。すごく大きいものだなと思います」