カスペルスキー 2015 マルチプラットフォーム セキュリティ

新しいオフィスソフト「Microsoft Office Premium」を搭載したPCが続々と登場し、PCの買替えを検討している人も多いだろう。PCを購入したら真っ先にインストールしたいのが、セキュリティソフトだ。PCをしっかり守るソフトを選ばなければならないが、そんなとき、ぜひ選択肢に加えたいのが、「カスペルスキー 2015 マルチプラットフォーム セキュリティ」だ。

●第三者機関のテストで認められた防御力と軽快な動作

「カスペルスキー」は、ウイルスをはじめとしたPCに害を及ぼすプログラムであるマルウェア対策や、外部からの侵入を防ぐファイアウォール、危険性のあるサイトをブロックするウェブセキュリティなどの機能を搭載する総合セキュリティソフトだ。

「カスペルスキー」の特徴は、高いウイルス検出力と軽快な動作にある。2013年8~11月に実施したオーストリアの第三者機関「AV-Comparatives」のウイルス検知率テストによると、「カスペルスキー」は100%の検出に成功。他社製品を抑えて防御力で最高位に輝いた。

「MRG Effitas」のテストでも、オンラインバンキング保護認証を獲得。オンラインバンキングの決済情報を盗み取ろうとする322種類のマルウェアをすべて検出し、通信を傍受された場合の情報漏えい防止などでも高い評価を得た。さらに、14年2月に発表した角川アスキー総合研究所によるスキャン速度の比較テストでは、最短のスキャン速度を記録。「カスペルスキー」の防御力と軽快な動作が実証された。

その「カスペルスキー」の最新版「カスペルスキー 2015」は、PCのシステムやプログラムの状態を常に監視する「システムウォッチャー」機能を強化。コンピューター上のアプリケーションによって実行された動作に関するデータを収集し、他のコンポーネントにその情報を提供して防御を向上させる。悪意あるプログラムによるシステムファイルやレジストリの改ざん防止、万が一、被害を受けてしまった場合には、それらをもとの状態に復元することができる。

2012年から世界中で猛威を振るうランサムウェアにも対応する。ランサムウェアとは、大切なデータを暗号化して使用不可能にしたり、ユーザーのPCにロックをかけたりすることで、それらを“人質”にし、あたかも身代金のように解除料金を請求する悪質なプログラムだ。

「カスペルスキー 2015」の「システムウォッチャー」が不審なプログラムによるファイルのアクセスを検知すると、即座にそのファイルのバックアップを作成。ファイルが不正に暗号化されても、バックアップファイルでデータを復元することができる。また、「不正ロック対策」機能によって、ロックされたPCを特定のキーボード操作で解放することができる。

このほか、PCに接続したウェブカメラへのアクセスを監視し、プログラムが操作されるとポップアップを表示することで、不正操作を防止するのぞき見防止機能も新たに搭載する。なお、Windowsのみ対応する。また、クリップボードの不正取得を防止することで、ネット決済の安全性を高めた。

●驚くほどシンプルなインターフェースと軽さで使いやすさが抜群

百聞は一見にしかず。実際に「カスペルスキー 2015」を使った。メイン画面は非常にシンプルで、目に飛び込んでくるのは「スキャン」「アップデート」「ネット決済保護」「保護者による管理」の四つのボタンだけ。細かな設定をソフトに任せることでメイン画面をシンプルにし、PCの初心者でも安心して使うことができるようにしている。

もちろん、熟練ユーザー向けに、自分仕様にカスタマイズできる柔軟性ももっている。「設定」画面を開くと、ファイル保護やファイアウォール、メール保護、ウェブカメラへのアクセス制限などを細かく設定できる。

軽快な動作も健在だ。筆者のPCにインストールした後、原稿の作成、数GBにおよぶ資料写真のダウンロードや整理、動画再生など、さまざまな作業を繰り返したが、もたつきが発生することはまったくなかった。また、スキャン時にかかる負荷が少なく、原稿を書きながらバックグランドで全ファイルのスキャンを行ったが、それと意識させる遅延はなかった。

マルチプラットフォームに対応したのも、「カスペルスキー 2015」の特徴だ。Windowsをはじめ、Mac、Androidに対応。1台のPCを保護するだけでなく、スマートフォンを含むデジタル環境全体でセキュリティ対策ができる。

強力な防御力を搭載しながら、シンプルで使いやすく、動作が軽快な「カスペルスキー 2015」。セキュリティソフト選びに迷ったとき、注目の製品だ。(ライター・星政明)