効率的な接客に有効な「値引き表示」

【家電コンサルのリテールマーケティング Vol.10】 家電量販店などのインストア・プロモーションにおける価格主導型の取り組みの一つに、値引きをアピールする「価格プロモーション」がある。今回は、その三つの手法を紹介しよう。

「○○%引き」と「○○円引き」を使い分ける

価格プロモーションには、定番売り場で展開される1.「定番値引き」、2.エンドで展開される「エンド特売」、3.チラシ掲載と連動して展開される「チラシ特売」の三つがある。

家電量販店の場合、3.の「チラシ特売」をメインとして顧客を誘導し、本部とメーカーの商談で決まった「拡販指定商品」に対して、①の「定番値引き」や2.の「エンド特売」で、「今月の特選品」などと訴求するのが一般的である。

三つの手法のいずれも、「今がお得」「今しか買えない」といった期限や限定を訴求するのが基本だが、価格プロモーションには即効性がある反面、低価格が定着してしまうと、販売台数が減少したときに売上高や粗利益の確保が難しくなるというリスクを合わせもっている。

そのため、効果的な価格プロモーションを行うには「見せ方」が重要になる。価格表示の方法には、値引き後の「ズバリ価格」を除けば、「〇〇%引き」と「〇〇円引き」の2パターンがある。ブランド力が強く、価値の高い商品は「〇〇%引き」、ブランド力が低い商品の場合は「〇〇円引き」と使い分けたほうが訴求力は強い、といわれている。

また、エアコンのように20万円もする高額商品の場合、値引き額が大きくなるため、「15%引き」より、「3万円引き」と訴求したほうがインパクトが強くなる。逆に、値引き額が小さくなる1万円のシェーバーなら「1500円引き」よりは、「15%引き」のほうが訴求効果がある。

よく、決算セール時にはエアコンなどの高額商品でも「15%引き」などの爆弾POPを見かけるが、その際には爆弾POPに割引後の価格を記載するのが望ましい。

10%引きや20%引きなら、なんとか暗算で計算することもできるが、「15%引き」のように端数が生じると、顧客は瞬時に価格を判断したり、覚えることが難しくなるため、結果として顧客から何度も価格を聞かれ、そのたびに電卓をはじきながら対応するという、効率の悪い接客になってしまうからだ。

このように、値引き額を表示する際は、本社からの配信POPを何も考えずに貼付するのではなく、商品によって「〇〇%引き」と「〇〇円引き」のどちらが効果的なのかを検証したりする工夫が必要である。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)

堀田泰希

1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実戦的内容から評価が高い。

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