例年通りなら、9月上旬には発表会、中旬に予約開始、下旬に発売、という流れで新iPhoneは登場する見込み。2016年発売の「iPhone 7/7 Plus」でイヤホンジャック、17年11月発売の「iPhone X」で指紋認証の「Touch ID」を廃止したAppleは、今年投入する新iPhoneから、12年に導入した独自の「Lightningコネクタ」を廃止し、Macと同じ「USB Type-C」に一本化するのではないかという噂が流れている。

発表以降、Lightningコネクタは、iPhone 5以降のiPhoneや第5・第6世代iPod touchなど、多くのApple製品で採用されてきた。もはや以前の「30ピンDockコネクタ」を知らない人も多そうだ。

これまでも充電・外部接続コネクタの規格変更は何度か噂にのぼっていたが、スマートフォンの充電規格の共通化を決定したEU向け仕様に合わせるため、ケーブルやモバイルバッテリーなどアクセサリーの買い替えを促すため、出かける前の短時間で充電する「急速充電」のニーズが高まっているため――そろそろ変えざるを得ないのではという予想だ。

家電量販店・オンラインショップの実売データを集計した「BCNランキング」によると、充電対応USBケーブルのうち、約54%がLightningケーブル。ただ、その販売数量は、直近3年間はやや減少傾向にある。iPhoneのシェアが高い日本ですら頭打ちという状況から、規格変更の噂は信じられそうだ。

一方、USB Type-C対応のUSB充電ケーブルは、Androidスマートフォンのハイエンドモデルや薄型ノートPCなど、対応製品が増えた17年から売れ始め、今年は、前年を超えるペースで推移している。今後、もしiPhoneもUSB Type-Cに切り替えたら、販売状況は一変するだろう。

昨年とまったく同じ日程なら、新iPhoneの発表日は日本時間9月11日。最近のiPhone発表会は、事前リークとの「答え合わせ」とやゆされるが、やはり今年も気になるところだ。(BCN・嵯峨野 芙美)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。