ゆずの白い部分は苦くない!?

ところで、「ゆずの皮の白い部分は苦い」、と思いこんでいませんか? 白い部分は削り、黄色い部分だけを添え物に使っている方も多いと思いますが、実際、黄色い部分と白い部分とを食べ比べてみると、白い部分は全然苦くありません。黄色い部分の方が苦いのです。

ゆずを皮ごと食べる場合、白い部分を使うと苦味がやわらぐので、ご家庭ではまるごといただいてよいかもしれません。(黄色い部分だけのほうが見た目はよいですけどね)

皮は冷凍保存できます。白い部分も含めて皮をむき、皮同士が重ならないよう、ラップをぴったりとかけて冷凍すると、香りを閉じ込めておけます。添え物などに使うときには使う分だけを取り出し、切って使えるので便利です。

それから、ゆずの種は捨てずに、焼酎につけておくだけで化粧水ができるそうなので、興味のある方はぜひお試しを。
 

冬は「塩レモン」から「塩ゆず」に

ゆずは、“酸っぱい”のが魅力ですが、酸っぱいだけにそのまま食べる方は少ないかと思います。最も簡単なのは「砂糖漬け」や「はちみつ漬け」。ゆずをザクザク切り、砂糖やはちみつを加えて混ぜるだけで、数時間後にはとろりとおいしくなります。ヨーグルトや紅茶に加えたり、サラダや酢の物にプラスしたり、使い方はいろいろ。

そしてこの冬おすすめしたいのが、ゆずを使った万能調味料。

たとえば、塩レモン感覚で塩をふりかけて「塩ゆず」に。前述の砂糖漬けもそうですが、シンプルなだけに万能ぶりを発揮してくれるでしょう。

ゆず入りの調味料は市販品もたくさんあるので使ってみるのも手ですが、せっかく実物が手に入りやすいこの時季、ゆずの天然の香りを楽しんでみては?
 

ちょこちょこ摂取したい!「ゆず」調味料6

◇ゆずの搾り汁と酢を合わせてシンプルな「ぽん酢」に。
◇ゆずの搾り汁に油や塩・こしょう、しょうゆなどをお好みで合わせて「ゆずドレッシング」に。
◇ゆずの搾り汁にしょうゆ・酒・みりん・だしなどを合わせて、自家製「ぽん酢しょうゆ」に。
◇味噌と砂糖をみりんでのばし、ゆずの皮のすりおろしを加えて「ゆず味噌」に。
◇ゆずの皮と塩、青唐辛子を合わせて粉砕すれば、自家製「ゆず胡椒」に。
◇市販のぽん酢とゆず胡椒を混ぜて、「ゆず胡椒ぽん酢」に。

レシピサイトなども参考に、ぜひ作ってみてくださいね!

ちなみに「ぽん酢」という言葉は本来、かんきつ系果実の搾り汁をさし、語源はオランダ語の“pons”(かんきつ類の果汁の意)、という説が。ポンス、ポン酢、ポンズ…。言葉はまるで生き物のようですね。

そんな雑学も楽しい「ゆず」。今晩の食卓にいかがですか?

【参考】
わかさ生活
『ためしてガッテン』香り17倍!ゆず大革命
日本香料工業会
旬の食材百科
・『安全においしく食べるための あたらしい栄養学』(高橋書店)

ライター/女子栄養大学 食生活指導士1級。学生時代からさまざまな体調不良に悩まされたこともあり、健康的な生活習慣について学び始める。現在は専門家を中心に取材活動を行い、おもに食、健康、美容、子育てをテーマにした記事を発信。乗りもの好きな1男の母でもある。