アマゾンジャパンと日本赤十字社がパートナーシップ協定を締結。第一弾は声だけで寄付できるAlexaスキル

アマゾンジャパンと日本赤十字社は、7月30日に「災害に関するパートナーシップ協定書」に調印した。両社は、これまでも災害発生時に協力体制をとり、情報インフラや寄付受付体制の整備で連携してきたが、今後は災害発生時以外でも協定を結び、継続的な課題解決に取り組む。最初の取り組みとして展開するのは、日本初の「声だけで寄付」ができるAlexaスキルだ。

日本赤十字社のスキルは、スキルを設定で有効にして立ち上げ、金額を声で伝えると、Amazon Payの仕組みで自動決済するというもの。金額の幅は100~50万円。複数回に分けて寄付することもできるので、登録しているクレジットカードの利用可能枠などを無視すれば、上限はない。寄付先は日本赤十字社が指定した災害。現在であれば、平成30年7月豪雨災害義援金に寄付をすることができる。

Amazonは世界中で災害支援の取り組みを行っているが、災害大国の日本初のものは多い。例えば、2011年の東日本大震災の際には、ユーザー向けに提供している「ほしい物リスト」を活用した被災地の物資支援を実施。支援者が提供する物資と被災者のニーズが合わないという問題を解消し、モデルケースをつくった。

AlexaとAmazon Payを利用した「声で決済」は日本で初めての取り組みで、他社にはまだAPIを公開していない。米国ではAPIを公開しているものの、まだローンチしているサービスはほどんどない。Amazon Pay事業本部の井野川拓也本部長は、「非常時ということで前倒しで実装した」と先行提供の経緯を語っている。

今回の取り組みはあくまで「災害復興」が目的だが、声だけで決済する仕組みが他のAlexaスキルにも実装されれば、スマートスピーカーの可能性は大きく広がる。日本発の災害復興支援策として、またAlexaの次の展開として、二重の意味で注目を集めるサービスになりそうだ。(BCN・大蔵 大輔)