いまの長野市をつくる大人たちと未来の長野市をつくる子どもたち

長野市は、ITジュニア育成施策の一環として、市内の小・中学生を対象にした第1回U-15長野プログラミングコンテスト(U-15長野プロコン)を10月27日に開催する。これに向けて、7月21・22日にはプログラミングの基礎を学ぶ事前講習会を長野商工会議所で実施。定員の30人をはるかに超える90以上の問い合わせがあり、申し込みは60人を超えたが、今回は先着順で小学校4年生から中学校3年生の33人が参加した。この講習を踏まえて、8月5日には参加者の質問や疑問に答えるための事前講習会を実施する。

いまの長野市をつくる大人たちと未来の長野市をつくる子どもたち。

プレートを持つのは、左から大会実行委員長を務める堀内征治高専プロコン交流育成協会理事長、

マウスコンピューターの小松永門社長、加藤久雄長野市長、大会長の北村正博長野商工会議所会頭

U-16プロコン旭川大会の視察で開催の決意を固める

U-15長野プロコン開催のきっかけは、長野商工会議所の北村正博会頭が、昨年11月、北海道旭川市のU-16プロコン旭川大会を視察し、感銘を受けたことだった。自分でつくったプログラム同士が対戦型ゲームで競い合い、子どもたちが大いに盛り上がっていたことや、地元の旭川工業高等専門学校・旭川工業高校の学生・生徒たちが先生役になって、夏休みから秋まで、小・中学生にプログラムを教えていたこと、さらにこれを支える大人たちが一体となってITジュニア育成を目指す取り組みを肌で実感した。長野市の子どもたちも、将来、地元の産業で活躍してもらいたい――そんな願いを長野に持ち帰り、大会開催に向けて奔走した。

その甲斐あって、4月に結成したU-15長野プログラミングコンテスト実行委員会には、趣旨に賛同した長野市教育委員会、長野市ICT産業協議会、長野市商工観光部のほか、信州大学、長野工業高等専門学校、長野工業高校が集った。この産官学が一体となった強力な布陣で準備がスタートし、7月の事前講習会開催にこぎ着けた。

事前講習会の開講式の冒頭、大会長を務める北村会頭は、「少子化によってどの企業でも人手不足が続き、その解消のためにIT化を図っている。ITの力はすごい。子どもたちには、今回のプログラミング学習を通じて、論理的思考力や創造力を伸ばしてほしい」と挨拶した。

事前講習会の準備で一番苦労したのが、参加する子どもたちが使う30台のパソコンの準備だった。「参加者の持ち込みや、中古パソコンの調達、レンタルなどを考えたが、縁があってマウスコンピューターの小松永門社長にお願いすることができた」と北村会頭。

マウスコンピューターは、長野県にパソコンの生産拠点を置く地元ゆかりの企業だ。開講式では、そのマウスコンピューターから長野市に Windows10を搭載した14型ノートパソコン31台を寄贈する贈呈式が行われ、加藤久雄長野市長からマウスコンピューターの小松社長に感謝状が手渡された。

加藤市長は、「長野市のITジュニア育成をご支援いただき感謝する。ICT人材の教育は非常に重要であり、産官学を挙げて取り組んで行く。子どもたちには10月の大会で大いに活躍してほしい」と述べ、小松社長は「マウスコンピューターは飯山市と長野市でパソコンを製造している。皆さんに今回使ってもらうパソコンはMade In 長野市だ。今日の講習を通じてパソコンを好きになって、学校でもITの先駆者として活躍してほしい」と、子どもたちに応援のメッセージを送った。

講師は地元IT企業の若手、15人の学生・生徒がチューターに

事前講習会の講師は、地元のIT企業に勤める大森渉さんと小林裕さん。プログラミングのイロハから始めて、実際にパソコンを操作して演習問題に取り組むときには、信州大学と長野高専、長野工業高校の学生・生徒、計15人がチューターとして参加者の横について指導する「子どもが子どもに教える」という旭川モデルを踏襲した。

休憩をはさみながらの4時間、子どもたちは高い集中力で講義を聞き、テキストを見ながらパソコン操作を繰り返す。教わる子どもが成長すると同時に、質問攻めにあうチューター――学生・生徒も成長する。いっしょに画面を見ながらプログラミングを進める子どもたちとチューターたちを見ていると、10月の大会がさらに楽しみになってくる。

第1回U-15長野プログラミングコンテストは、10月27日、長野市ビッグハットで開かれる地域最大級の多業種総合展示会「産業フェアin信州 2018」のメイン会場で開催する。1998年、長野オリンピックのアイスホッケー会場だったこの場所で、この秋には子どもたちがプログラミングで熱戦を繰り広げる。

(文:ITジュニア育成交流協会 江守譲/写真:ITジュニア育成交流協会 市川正夫)

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