今回番組に登場するのは、寝具メーカーの東京西川と食品企業の味の素だ。1500年年代に創立された東京西川は、ニューヨークヤンキースの田中将大やバルセロナのネイマール、そして横浜FCの三浦知良らにマットレス、枕を愛用されている。一方、番組MCの桑田真澄氏は現役時代、味の素が扱うアミノ酸関連商品の愛好者だった。

両社はスポーツでうまくマーケティングすることで収益を上げると同時に、アスリートたちを影でサポートしている。企業と選手が「アクティベーション」(有効活用)という発想の下で価値観を共有し、ウィン・ウィンの関係を築いているのだ。

「僕が現役の頃にいまの科学的な技術があれば、もうちょっと勝てたんじゃないかと思います(笑)」

そう話す桑田氏は、現代のスポンサーシップとスポーツ選手の関係をこう見ている。

「スポンサーには資金というイメージがあるかもしれませんが、お金だけではなく、さまざまなことで互いを有効活用できます。これからの時代、そういうことが大事。互いがもっとアイディアを出していけば、チームも企業もプラスになると思います」

スポーツに携わる周囲のサポートがレベルアップしたことで、選手はより高いパフォーマンスを発揮しやすくなっている。それは、観客のメリットにもつながっていく。

スポーツを観る者はこんな視点を持つことがオススメだと、遠藤氏が語る。

「一般企業で働いている方々にとって、スポーツは有効な投資対象になると思います。考え方を少し工夫することで、スポーツでマーケティングできるかもしれない。いろんな産業界の方が、『自分の分野でもスポーツを活用すれば、もっとうまくいくのでは』となってほしいですね。逆に言うと、スポーツにはそれだけの力があります」

スポンサーシップ、さらに言えば「スポーツ2.0」という視点を持ってサッカー、野球、テニス、ラグビー、ゴルフなどの競技を見ると、その魅力がより立体的に浮かび上がってくるはずだ。

 

『桑田式スポーツK営学』
12月29日(月) 19:00~
BSジャパン(BSデジタル7ch)
【MC】
桑田 真澄
大橋 未歩
【コメンテーター】
水越 豊 (ボストンコンサルティンググループ 日本代表)
【ゲスト】
海老塚 修 (慶應義塾大学大学院教授)
須藤 健二朗 (西川産業)
工藤 剛 (味の素)

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 1979年埼玉県生まれ。上智大学在学中からスポーツライターとして活動。05年夏から4年間、英国でセルティックの中村俊輔を密着取材。現在は野球を中心に執筆。『東洋経済オンライン』で「野球界に見る、凡才がトップに登り詰める方法」を連載。著書に『人を育てる名監督の教え すべての組織は野球に通ず』(双葉新書)がある。