ワイヤレススピーカーの2018年上半期に一番売れた機種は、新ジャンルの「ネックスピーカー」

昨年秋ごろに登場したネックスピーカーがワイヤレススピーカーの一大トレンドになっている。全国の主要家電量販店・ネットショップから実売データを集計する「BCNランキング」によると、2018年上半期(1月~6月)のワイヤレススピーカー機種別販売台数ランキングのトップに立ったのは、ソニーの「ウェアラブルネックスピーカー SRS-WS1」。肩にかける新しい形態の音楽視聴デバイスが、設置型のスタンダードなワイヤレススピーカーを上回った。

昨年10月発売のソニーの「SRS-WS1」は、春にバラエティー番組「アメトーーク!」」の家電芸人特集で取り上げられ、本格的に人気に火がついた。一時は生産が注文に追いつかず、受注が停止するほどだったという。

ネックバンドのように首を支点にして両肩にスピーカー部分を乗せる形状の「SRS-WS1」は、サウンドバーさながらの立体的サウンドをどこにいても味わうことができるのが魅力。大音量を出せない深夜、部屋を動き回る家事中など、さまざまなシーンで使える利便性も受けた。

同様の仕組みをもつネックスピーカーは、ワイヤレススピーカーのメーカー別販売台数シェアで2位、3位につけているハーマンインターナショナルとボーズからも発売されており、どちらの製品も販売台数ランキングで健闘。ネックスピーカー自体が新ジャンルとして盛り上がりつつあることがうかがえるが、現時点ではソニーの人気が群を抜いている。

オーディオ視聴機器では、左右分離型の完全ワイヤレスイヤホンが目覚ましい成長を遂げているが、より開放的で負担の少ない家ナカスタイルとしてネックスピーカーの伸びしろに期待できそうだ。(BCN・大蔵 大輔)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベースで、日本の店頭市場の約4割(パソコンの場合)をカバーしています。