<地域No.1店舗の売れる秘訣・パソコン工房宇都宮店>サポートと中古販売で来店を促進 専門店として量販店との差異化を図る

2014.12.24 10:52配信

栃木県宇都宮市は県庁所在地とあって、市内に多くの家電量販店が出店している。そのなかで、唯一のパソコン専門店がパソコン工房宇都宮店だ。今年8月、ショッピングモール内のテナント出店から独立店舗として再スタートを切り、パソコンのサポートと中古品の販売を前面に打ち出して、徐々にではあるがパソコンの購入者を増やしている。家電量販店とは一線を画した販売スタイルで、市内におけるパソコン販売のシェア拡大を図っている。(取材・文/佐相彰彦)

パソコン工房宇都宮店

店舗データ

住所 栃木県宇都宮市元今泉7-5-11

オープン日 2014年8月

売り場面積 約330m2

従業員数 7人

●駅前西側と鬼怒通りが買い物エリア 国道4号沿いに移転オープン

51万8090人(2014年11月1日時点、宇都宮市調べ)と、栃木県のなかで圧倒的な人口を誇る宇都宮市は、県庁所在地であり、JR宇都宮駅に新幹線が停車して関東や東北を中心に全国から多くの会社員が訪れることから、栃木県の政治・経済の中心地を担っている。JR宇都宮駅前には、西側に大型商業施設のララスクエア宇都宮があって、多くの人で賑わっている。また、駅東側には国道4号や新4号国道と交差する鬼怒通りがあって、地元で有名な大型ショッピングモールのベルモールが出店。近隣の住民が平日、休日を問わず数多く訪れる。駅前西側と鬼怒通りが宇都宮市の主要なショッピングエリアになっている。

家電量販店も、この二つのエリアに出店。ララスクエア宇都宮には、ヨドバシカメラのマルチメディア宇都宮が出店している。鬼怒通りには、コジマNEW東店を、ビックカメラのコラボレーション店舗として今年4月にリニューアルオープンしたコジマ×ビックカメラ東店がある。栃木県はコジマの本拠地であり、コジマNEW東店がコジマの旗艦店だったということから、地元住民の高い支持を得ている。ベルモール内にあるケーズデンキベルモール宇都宮店は、ショッピングモールを訪れる多くの人が来店している。

大手家電量販店が栃木県でのシェアを高める戦略的な店舗を出店しているなか、パソコン工房を運営するユニットコムも北関東の旗艦店として店舗を構えている。ベルモール内にTWOTOPの店名でオープンし、2009年8月にパソコン工房ベルモール宇都宮店に変更。今年8月には、宇農前通りと国道4号が交差する泉が丘の交差点近くに移転し、パソコン工房宇都宮店として再スタートを切った。

●あくまでもパソコンがメイン商材 専門店としてブランド力を高める

パソコン工房宇都宮店が移転したのは、増床するというのが大きな理由だ。パソコン工房ベルモール宇都宮店では、ショッピングモールの来訪者が買い物ついでに来店するという流れができあがっていて、スマートフォンアクセサリなどの手軽に購入できるアイテムに人気があった。しかし、スマートフォンアクセサリはよその店でも販売しているので、大型の家電量販店に対抗するには充実した品揃えと価格の安さで勝負する必要がある。そこでユニットコムは、売り場面積を広くしてパソコンを中心とする店舗としてリニューアルすることを決断し、移転という道を選んだのだ。

各務端宏店長は、「宇都宮市には、当店以外にはパソコンに特化した専門店が見当たらない。店づくりで力を注いでいるのはパソコンのラインアップ充実と、販売増につなげる製品・サービスの充実を図ること」という方針を明確にしている。具体的には、デスクトップパソコンがネットゲームで遊んでもサクサク動くということで評価が高いことから、ゲームユーザー向けデスクトップパソコンを積極的にアピールしている。ただ、「常に当店でパソコンを購入してくださる常連のお客様が少ない」と、各務店長は現状の課題を打ち明ける。その対策として、「安くて手軽なデスクトップパソコンを展示して、ライトユーザーの買い替えを促している」とのことだ。ノートパソコンについては、カスタマイズによって自分好みのモデルが購入できることを提案している。

また、さらに安いパソコンを求めるユーザーの来店を促すために、中古品の販売を強化。売り場スペースとして1フロアの4分の1程度を確保して、さまざまなメーカーの中古パソコンを展示している。各務店長は、「お客様に、家で眠っているパソコンを持ってきていただき、それを買い取って買い替えを提案する。予算に応じて中古を勧めるというフローを構築する」としている。

パソコンの買替促進策として、もう一つ取り組んでいるのがサポートだ。各務店長は、「パソコンの調子が悪いと感じたときは、『パソコンワンコイン診断』を受けていただければ99%の確率で原因が特定できる」と自信をみせる。サポートを受けるユーザーは、すぐにはパソコンを購入するとは限らないが、「パソコンならパソコン工房という意識を多くのユーザーに根づかせる」としている。

このほか、防犯カメラのデモコーナーを設置して、低価格モデルでも性能がいいことをアピールするなど、戸建て住宅に住んでいるパソコンユーザーがついでに買うアイテムの充実にも取り組んでいる。「さまざまなお客様を獲得していく」と各務店長は訴えている。

●店長が語る人気の理由――各務端宏 店長

山口・宇部市の郊外店で長く販売に携わり、店長として現場を指揮した経験ももっている。ユニットコムが北関東の戦略地域、宇都宮の店舗を移転することをきっかけとして店長に抜擢された。

「宇部と比べて売り場面積が圧倒的に広い」。地方に出店しているパソコン工房の店舗は、パソコンの知識に長けたスタッフが接客しているため、品揃えが少なくても購入につながることが多い。「宇都宮店は、品揃えが豊富なうえにスタッフのていねいな説明で、お客様に満足してもらいやすいはず」とみている。スタッフは、全国から選ばれた中堅レベルの人材。パソコン専門店として、さらにブランド力を高めていく基盤を整えた。

※本記事は、ITビジネス情報紙「週刊BCN」2014年12月15日付 vol.1559より転載したものです。内容は取材時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる可能性があります。 >> 週刊BCNとは

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