昨年を大きく上回る熱中症による救急搬送、東京五輪を控える2年後の夏に向けて対策が講じられている

異常気象による熱中症被害が連日報道されている。総務省消防庁によると、7月30日から8月5日までの1週間で熱中症による救急搬送人数が1万3575人。年内の累計人数は7万1266人になった。2017年の5~9月の熱中症における緊急搬送人数は累計で5万2984人だったため、今年はすでにそれを上回ったことになる。 学校では、各地で日中のグランド利用を制限したり、水分補給の時間を設けたりと自主的な対策が講じられているが、企業ではこれをビジネスにつなげようとする動きが加速している。

ヤフーは、東京都と共同でAIを活用した熱中症予防の実証実験を開始した。環境省の気象データとヤフーのもつビッグデータと組み合わせることで熱中症の起きやすいエリアなどを予測するのが狙いだ。ヤフーはその成果をスマートフォン向けの熱中症予防アプリなどに利用するという。

17年に「気象ビジネス推進コンソーシアム」を設立した気象庁は、大手家電流通協会と全国清涼飲料連合会と組んで、家電と清涼飲料水の売れ行きと気象の相関関係を販売に活用する実験を実施。6月26日発表のレポートで、2週間先の予測データにもとづいた販売計画は、仕入れ・広告・店頭施策のあらゆる場面で有効だったと報告した。

熱中症対策の活発化には、2020年に開催される東京五輪に向けて行政が早急な対策を迫られているという背景もある。会期中は出場選手だけでなく9万人以上のボランティアが炎天下で作業することが予想される。

国土交通省では路面に保水性のある舗装を施したり、マラソンの遠藤に霧を吹きかけるなどの案を検討しているが、「国や自治体の対策だけでは不足」という意見も多い。2年後の夏を見据えて、行政と民間企業と連携はますます加速することになりそうだ。(BCN・大蔵大輔)

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