三浦春馬と行定勲監督

映画『真夜中の五分前』が12月27日に公開を迎え、主演の三浦春馬と行定勲監督が都内の劇場で舞台あいさつに臨んだ。

舞台挨拶その他の写真

本多孝好の小説の映画化で、舞台を中国・上海の置き換えて製作された本作。上海で時計の修理工として暮らす寡黙な青年と双子の美女たちのミステリアスな愛の物語が繰り広げられる。

上映後の舞台あいさつとなったが、三浦と監督が姿を見せると客席の一部ではスタンディングオベーションが起こり、拍手が鳴りやまないという初日舞台あいさつとしては異例の状況に…。三浦は感激の面持ちで「監督の熱意と頑張りがこうしてみなさんに届いて拍手をもらえるのがうれしい」と語る。

行定監督は当初、日本国内での製作を計画するも頓挫し、いわば苦肉の策としてアジア映画として製作したとあって、こうして日本で“凱旋公開”を迎え感慨もひとしおのよう。「この種のラブストーリーは、観客のみなさんに委ねられていて、明確で分かりやすく白黒はっきりするものではないけれど、そういうのがあってもいいと思う。逆にこれが明確なものだったら、中国のスタッフは一緒にやろうとならなかった。乗り越えなくてはいけないことも多く、政治問題もあって『どうしようか?』となったとき、『三浦春馬はもう中国語の練習してます。やる気です』と聞いて、やらなきゃいけないと思った。背中を押してもらって感謝してます」と思いのたけを語った。

三浦も「僕は『真夜中の五分前』という船に乗せてもらっただけ。努力を形にして届けられたのがうれしい。中国語のセリフ、見たことのない景色、海外で先に公開されることなど、全てが新鮮で役者人生だけでなく、ひとりの人間として大きな経験をさせていただきました。すごく楽しかったです」と充実の表情を見せた。

今後も海外で製作するつもりかという質問に行定監督は、様々な苦労を思い返しつつ「3年くらいかけてやれたら…(笑)」と前向きに“保留”。三浦は「オファーをいただければぜひやって行きたいと思います」と力強く語った。

三浦は最後に改めて「自分の内に在る“愛”という普遍的なテーマを考えさせてくれる作品です」と語り、劇場は温かい拍手に包まれた。

『真夜中の五分前』
公開中

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