世界最速のCFカード「プロフェッショナル1000倍速シリーズコンパクトフラッシュカード」

デジタルカメラの高画素化やフルHD動画撮影機能の搭載、デジタルビデオカメラのフルHD化など、撮影データの大容量化が進んでいる。記録するメモリカードも大容量化が進み、さらに容量の大きいデータをすばやく記録する高速性も求められる。これからのメモリカードは「大容量」と「高速性」の二つが重要なポイントになっていく。

●マイクロンジャパンが世界最速のCFカードを開発

撮影データの大容量化が進むと、撮影データをメモリカードに記録したり、メモリカードのデータをPCなどに取り込むときの速度、つまり転送速度が重要になる。特に中級モデル以上のデジタル一眼レフカメラの連写撮影は、メモリカードの性能に大きく左右される。連写速度自体は変わることがないが、転送速度が遅いとカードへの書込みに時間がかかり、連写が中断してしまうからだ。

よりデータ量の大きいRAWデータでの連写ならなおさらで、コンパクトフラッシュ(CF)カードをはじめとしたメモリカードの選択がとても重要になる。同時に大容量の撮影データを大量に保存できる容量の大きなカードを選びたい。進化を続けるデジタルカメラに合わせて「高速」「大容量」のメモリカードが必要だ。

そんな高いニーズを満たしてくれるのが、マイクロンジャパンの「Lexar(レキサー)」ブランドのCFカードだ。先日、米国・ラスベガスで開催された「2012 International CES(CES 2012)」で、世界最高速となる1000倍速のUDMA7対応CFカード「プロフェッショナル1000倍速シリーズコンパクトフラッシュカード」を発表。最低保証読取り速度150MB/秒、最大書込み速度145MB/秒を実現し、動画撮影でもVPG-20(Video Performance Guarantee)に対応して、最低20MB/秒の書込みを保証している。

●カメラの撮影機能を最大限に引き出す高速なCFカード

そもそも「UDMA」とは何のことだろうか? UDMA(Ultra Direct Memory Access)は、CFカードのデータ転送速度の規格のこと。速度に応じて0-7のモードがあり、最大転送速度はそれぞれ、モード0が16.7MB/秒、モード1が25MB/秒、モード2が33.3MB/秒、モード3が44.4MB/秒、モード4が66.6MB/秒、モード5が100MB/秒、モード6が133.3MB/秒だ。なお、最新のモード7は166.6MB/秒だ。

最高約8コマ/秒の連写性能をもつキヤノンのデジタル一眼レフカメラ「EOS 7D」で連写撮影をしたところ、UDMA非対応のCFカードは20枚ほど連写したところで処理中を示す「busy」マークを表示した。「busy」マークが表示されると撮影が中断されてしまうので、シャッターチャンスを逃すこともある。

UDMA6対応の600倍速の高速転送に対応するマイクロンジャパンのCFカード「Professional 600X 16GB」を使うと、40枚以上撮影できた。また、「busy」マークを表示しても一瞬で撮影可能状態に回復する。

日頃愛用している「EOS 7D」だが、正直なところ、連写性能では、これまで使っていたCFカードでは、そのパフォーマンスの半分も引き出せていないことに気づかされた。もちろん、フルHDの動画撮影に関しても、まったくストレスを感じることはない。

また、メモリカードの高速性は、連写撮影時だけではなく、撮影したデータをPCに読み取るときにも威力を発揮する。特にプロカメラマンやハイアマチュア・カメラマンなど、大量の枚数を撮影する人は、撮影データをPCに転送する時間を大幅に短縮することができる。

ふだん使用しているUDMA非対応の16GBのCFカードと「Professional 600X 16GB」に同一のフルHD動画データ(容量2.26GB)をコピーしておき、Expressカード式のコンパクトフラッシュカードリーダーでのPCへの転送時間を計測した。UDMA非対応のカードは転送終了までに4分19秒かかったのに対し、「Professional 600X 16GB」は3分21秒と1分近く早かった。さらに大きなデータの転送であれば、この差はもっと大きくなるだろう。

600倍速の「Professional 600X 16GB」でさえ、これだけのパフォーマンスを発揮する。2月下旬に発売する1000倍速UDAM7対応の「Professional 1000X」がどれほどの性能を発揮するのか、実に興味深いところだ。

2月16日発売のニコン「D4」、3月下旬発売のキヤノン「EOS-1D X」など、この春は、UDMA7に対応したハイエンドのデジタル一眼レフが登場する。その性能を余すところなく引き出してくれる世界最速カードの存在は、ますます重要なものになるだろう。

今回、筆者が愛機EOS 7Dの性能をあらためて見直したように、高性能なメモリーカードは、必ず大きな満足を与えてくれるのだ。

●PCやタブレット端末を快適に使うならUSB3.0対応の高速なUSBメモリ

高速なのはメモリカードだけではない。マイクロンジャパンは「Lexar」ブランドで「Triton(トリトン)」という愛称の高速転送に対応するUSBメモリを開発し、この春に発表した。USB3.0対応のUSBメモリ「JumpDrive Triton」は、読取り速度155MB/秒、書込み速度150MB/秒を実現している。

例えば、PC内に保存されている4GBのデータを転送するテストを、USB2.0製品と比較したところ、USB2.0では転送に11分もかかったのに対し、「JumpDrive Triton」ではわずか35秒で完了した。

また、4GBの楽曲ファイルのコピーを1000回繰り返す読取り/書込みテストでは、USB2.0が15分のところを、「JumpDrive Triton」では3分16秒とこれまた圧勝。「世界最速」のうたい文句は決して大げさなものではない。

容量は16GB、32GB、64GBの3種類。現在発売しているPCの多くはUSB3.0端子を備え、今年続々と登場してくるタブレット端末も、USB3.0を搭載する機種が多い。5GbpsというUSB3.0の転送能力を余すところなく引き出す性能をもつ「JumpDrive Triton」なら、どんな記録・保存ニーズにも、高いレベルで応えてくれるに違いない。

●キーパーツの自社開発・製造から生まれる高いクオリティ

なぜ、マイクロンジャパンがこれだけの製品をつくることができるのか。それはメモリカードやSSDなどで使われる「NAND型フラッシュメモリ」とPCなどで使用されるDRAMを自社で研究・開発・製造する体制をもっているからだ。

各部材を組み合わせて最大限性能が発揮できるように、あらかじめ最速に調整。メモリチップ、コントローラーLSIの双方から性能追求のアプローチができ、さらに製造に欠かせない原材料が常に安定して調達できる仕組みを確立している。市況に大きく左右されることなく、安定して良質・安価な製品を市場に供給することができるのだ。

また、同社はメモリカード、USBメモリだけではなく、SSD市場でも大きなシェアをもっている。SSD製品は「Crucial(クルーシャル)」ブランドで展開しており、メモリーカード同様の包括的なものづくり体制にもとづくリーズナブルで高性能を高いレベルで両立した製品は、市場を大きく席巻。「Crucial m4 64GB」「Crucial m4 128GB」の2製品が原動力となって、SSD部門で「BCN AWARD 2012」を受賞した。近日中に、7mm厚のSSDを発売する予定で、2012年も市場を牽引していきそうだ。

他の追随を許さない高度なものづくりの体制と、性能・品質に対する飽くなき追求、そしてリーズナブルな価格。それがマイクロンジャパンの魅力であり、ユーザーからの支持を集める理由だ。メモリ製品選びで迷ったときは、「Lexar」や「Crucial」を選べば後悔することはない。(ITジャーナリスト 市川 昭彦)