【食品】塩辛、燻製…プロがこだわったカキの逸品

冬の味覚といえば、真っ先に挙がるのがカキ。生やフライもいいですが、ここでは塩辛、オイル漬け、燻製とちょっと変わった食品をご紹介。カキ好きなら一度は試したい3品だ。

豊穣な海が育んだカキ。
「海のミルク」と称されるカキが旨い季節です。
フライやスープ、鍋にしてもおいしいのですが、
プロがひと工夫した〈カキの逸品〉を紹介します。


瀬戸内海の大黒神島沖(広島市)でカキ養殖を営む「かなわ」(創業慶応3年)が、
50年前に考案した「カキの塩辛」(50g/740円)。

塩辛というと、まっ先にイカを思い浮かべますが、カキの塩辛も作られています。
12年前、広島市内にある作業現場を取材させてもらいました。
瀬戸内海産のカキに塩をふります。
その後、何回かにわけて振り塩をしたカキを常温で3年間寝かせます。
毎日混ぜることで空気中の微生物の働きでカキが発酵。
肝などが溶け出し、どろどろになり、緑色を帯びてくる。
塩分が強いため、最後に酒で洗い、塩分を落としたものを瓶に詰める。
これが「かなわ」が長年手がけてきた珍味中の珍味、カキの塩辛です。
生のカキとはまったく別物。

   

そのままナメるように食べるのがいちばん旨い。
味がきついようであれば、ウズラの卵をまぜると、まろやかな味を愉しめます。
いずれにせよ、酒飲みには最高の酒の肴です。
白ワイン、あるいはハイボールにもあうかもしれません。


瀬戸内海というと広島がカキ養殖のメッカですが、
お隣りの岡山でも行なわれています。
「おいしいものブティック平翠軒」(岡山県倉敷市)では、
岡山県浅口市寄島産のカキを使った逸品を作っています。
「焼き牡蠣のオイル漬」(70g/840円)です。



オイスターソースで味付けしてあるので、味も濃厚。
唐辛子が1本入っているため、ピリっとしています。
もちろん、そのままでもおいしいのですが、
きざんだものをピラフにしても巧いそうです。 

  


春キャベツといっしょにパスタにしてみました。
カキに味が付いているので、塩を少し加える程度で十分です。
炊き込みご飯にしてもいいと思います。 

   
 

 









もっともシンプルで、カキ特有の滋味を味わえる惣菜もあります。
「カキの燻製」(35g/525円)です。
流氷が漂着することで知られる北海道紋別市にある
オホーツク燻製工房「フューモアール」(仏語で燻製室の意)の製品。
カキはオホーツク海に面したサロマ湖産の1年もの。
作り手は代表取締役職人の安倍徹郎さん。
昨今、燻製の匂いをつけるための燻製液と呼ばれる液体に
素材を浸しただけの燻製が流通しています。
安倍さんは、すきま風が吹き込む築50年のバラックで
自分自身も燻され、目を真っ赤にしながら燻製を作っています。


 
サロマ湖産のカキをぬるま湯で20分ほど煮る。
これをスチール製の特製燻製器で20分程度スモークします。
一般的には丸太やチップを燃やして燻すことが多いのですが、
安倍さんは粉末状の、ナラの樹のおがくずを愛用しています。
おがくずの煙は粒子が細かく、巻きタバコのようにゆっくりと自然に燃えるため、
燻しやすいといいます。

燻製はスモーカーと呼ばれる燻製器があれば素人でも作れます。
極端に言えば、中華鍋と餅焼き網でもできます。
しかし、調味液に漬け込む時間や燻し具合など、
プロと素人では完成度が明らかに異なります。
安倍さんはカキの他、サバ、ホタテ、タコ、チーズなどの燻製も作っています。
ぜひ、代表取締役職人・安倍さんの燻製を試してください。


今回紹介した商品は倉敷の「おいしいものブティック平翠軒」ですべて購入可能です。
カキの燻製以外は、西武百貨店とそごうにある「平翠軒コーナー」でも販売しています。
 

東京五輪開催前の3歳の時、亀戸天神の側にあった田久保精肉店のコロッケと出会い、食に目覚める。以来コロッケの買い食いに明け暮れる人生を謳歌。主な著書に『平翠軒のうまいもの帳』、『自家菜園のあるレストラン』、『一流シェフの味を10分で作る! 男の料理』などの他、『笠原将弘のおやつまみ』の企画・構成を担当。

 

いま人気の動画

     

人気記事ランキング