僕が高校生の頃に憧れた「かっこいいヴィジュアル系」を目指したい

TaJI:僕がヴィジュアル系というジャンルをやりたいと思った学生時代、その頃は世間はいわゆる「ネオヴィジュアル系」ブームだったんです。クラスの皆もヴィジュアル系好きで、SIDやthe GazettE、NIGHTMARE、Alice Nine……クラス替えのときの自己紹介で好きなバンドを言ったら、それをきっかけに仲良くなれたりして。

だから、ヴィジュアル系は一般的に見てもかっこいいジャンルなんだなという認識で、「やりたいな」と思って始めたんです。でもそれから数年経って、バンドを組み始めた頃には、ヴィジュアル系って皆から謎めいたジャンルになっていたんです。

ーー世間的にはあまり知られていない、と。

TaJI:そうです。ちょっと停滞しているな、と感じるようになって。今の僕らには、まだ何の力もありませんが、僕が高校生の頃とかに憧れた「かっこいいヴィジュアル系」を目指していきたいと思います。

Rides In ReVellion 撮影・Anastasia

――昨年リリースされたシングルで、X JAPANの『Rusty Nail』をカバーしてましたよね。あえて90年代の名曲をカバーするというのも挑戦のひとつですよね。

TaJI:今のバンドが90年代の名曲をカバーして世に出すというのも、僕らのコンセプトとリンクすると思ったんです。

サウンド的な面でいったら、ギターもアレンジを変えていますが、原曲を意識したものにしたいと考えていて、バッキングのフレーズは原曲そのまま弾いている。ギターソロも最初のギターソロは現在のX JAPANを意識したものになっていて、2度目のギターソロは、昔のX JAPANっぽいフレーズを意識しています。

――「今のXぽい」というのは?

TaJI:SUGIZOさん色が加わって、例えばギターでいうと、HIDEさんのギターはアームがついてないから、アームを使ったプレイは出てきていないじゃないですか。SUGIZOさんはアームを使ってるので取り入れています。他にも、HIDE(hide)さんのソロの曲のメロディも組み込んでいたりしています。

――色んな仕掛けをしていますね。

黎:僕は、ボーカルのキーの高さで勝とうとは思っていなくて。完全に自分の中で消化してから作ろうと思ったんで、モノマネではなく自分らしくやって、それがスパイスになったらいいな。

――そして秋に『ARTERY』、『VEIN』というふたつのコンセプトミニアルバムをリリースされるとのことで。

TaJI:絶賛製作中です。

――7月に開催された東京と大阪でのワンマンで、『ARTERY』から『ANOXIA』、『VEIN』から『衝動DIRTY』が1曲ずつ披露され、配布されました。

黎:『ARTERY』が”王道”で、『VEIN』が”邪道”というコンセプトなんです。元々2枚出すというのは決めていて、しっかりしたコンセプトにしたかったので、Rides In ReVellionらしい曲と、らしくないけど自分たちのルーツにあるものをしっかり出した曲とに分かれた作品になっています。

――『VEIN』収録の『衝動DIRTY』は、たしかにこれまでと感触が違いますね。

黎:邪道というだけあって、これまでに使ってきていない言葉が出てきたりするんですけど、元々自分の中にあったのか、書き始めたらスラスラ出てきたんで。自分の違った側面を出せたのではないかと思います。

渚:ライブが楽しみな曲ですよね。

飴:今回生音を後から加工してて、『衝動DIRTY』はTaJIさんと相談しながら、尖った、遊んでる、パンクな感じといったらいいのか。遊んでる感じってどんなのかな? スナッピーがついてる感じ。ザラザラしたアタックのある、遊び心のあるドラムの音になったと思います。

――この曲も、hideさんのオマージュを感じる曲です。

TaJI:今年I.N.A.さんが出した本(『君のいない世界~hideと過ごした2486日間の軌跡~』ヤマハミュージックメディア刊)を読んだんです。楽曲の制作方法も語られていて、そういうのを読むと、実際に試したくなるじゃないですか。そこから着想を得て、色々自分なりに実験を重ねて出来た曲です。

――なるほど、では”王道”の『ANOXIA』の方のお話も聞かせてください。

Rides In ReVellion 撮影・Anastasia

変化球の中で、「ヴィジュアル系の王道」をガンって行けるのは、僕らなんじゃね?

TaJI:『ANOXIA』はすごく“王道”っぽい曲なんです。最近ヴィジュアル系シーンの中で話題にのぼるバンドって、変化球系のバンドが多い気がするんです。

――たしかに、面白いことをやっているというか、バラエティ豊かなバンドが多いですね。

TaJI:僕自身、「おっ」って思わせられる曲をやっているバンドは、変化球系のバンドが多い。中にはTHE・王道のバンドもいると思うけど、でもその中で、めっちゃ心に響いた曲というのが正直少ないんですよね。

――それは多分、「ヴィジュアル系」というフォーマットが既に出来ている時代だからこそ、そのフォーマットからあえて外した「意外性のある」変化球系のバンドの方が、フックを作りやすいんだと思います。だからこそ今、おっしゃるような王道をやる方が難しい時代なのでは。

TaJI:そうなんですけど、その中で、「王道」をガンって行けるのは、僕らなんじゃね?と。『ANOXIA』は自信作です。このストレートさを、高校生の時にかっこいいなと思っていた「ヴィジュアル系のカッコよさ」を昇華できるのは、僕たちだという自負を込めています。

黎:こちらも今までにない歌詞だったりするんです。自分が、こんなにも弱い気持ちの歌詞を書いたのは初めてなんですよ。僕って歌詞を書く時に、あんまり想像で書けなくて、どうしても自分のことになってしまうんです。だから自分自身のネガティブなところばっかり出てしまったんですけど。思いきって、今までになかった弱いところを出せた歌詞です。

渚:リズムに関しては、疾走感をいかしたいなと思って。本来のテンポからクリックを倍にして録りました。ちょっとしたノリが変わるから。そのせいで走ってたらすみません(笑)。

飴:疾走感っていうと、わかりやすいほうがいいじゃないですか。ドラムも、例えるなら高校生でもコピーできるような、叩いていて楽しいシンプルでストレートなものになっています。
これはピエール中野さんの受け売りなんですけど、LUNA SEAの曲って、シンプルでコピーはできるものが多い、だけど奥深い、だからこそ凄いって言ってたんです。そういう部分を意識しました。

――ちなみに、7月の東京でのワンマンでは、ラップを入れた曲も入るということをMCでおっしゃっていましたね。

黎:そうですね。邪道盤の『VEIN』に収録予定の楽曲なんですが、自分的に新しい要素満載の楽曲なのでハラハラドキドキと言った感じです。詞も、今までに無かった「怒り」をテーマに書いているので、RIRにとってはまさに邪道な「逸曲」になると思います。笑

――最後に、読者に向けて一言お願いします。

黎:Rides In ReVellionでしか観られないものが絶対あると思うんです。ライブ、バンド自身を売りにしているので、ライブに来て欲しいですね。

リリース情報

【Rides In ReVellionがNEXT LEVELへ突き進む。】
“王道と邪道のデュアリズム”
『ARTERY』 『VEIN』
Mini Album2タイトル同時リリース決定!!
2018.10.28-sun- OUT!!!

ライブ情報

Rides In ReVellion コンセプト2daysワンマン「DUALISM」
12/1(土)「 ARTERY -赤い動脈-」OSAKA MUSE
12/2(日)「 VEIN -青い静脈-」OSAKA MUSE
前売¥3,500- 当日¥4,000- 税込・オールスタンディング ※入場時ドリンク代別途必要
OPEN/START 16:30/17:30

11月週末ウィークリーライブ企画決定!
テーマは「凱旋」
詳細後日発表!

FEST FES~The End or Continue~
8月25日(土) 、26日(日)STUDIO PARTITA

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