(左から)のん、片渕須直監督

 映画『この世界の片隅に』再上映イベントが15日、東京都内で行われ、声優を務めたのんと片渕須直監督が出席した。

 こうの史代のコミックを実写映画化した本作。戦時中の広島県呉市を舞台に、嫁いできた18歳のすずがたくましく生きる姿を描く。

 公開初日から642日間、1日も途切れることなく上映が続いており、のんは「作品に参加して、こんなに長く作品と付き合っているのが初めてなので、とても貴重な体験です。こんなにみなさんに愛されている作品は、世界中どこを見てもこの作品だけなんじゃないかと自分でも思ってしまうくらい、うれしいです」と観客へ感謝の気持ちを伝えた。

 12月には、本作に新たに30分の追加シーンを加えた『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』の公開も控えている。のんは、特報のナレーションで久々にすずの声を吹き込んだことについて、「期間が開いていたのでまたできるか不安な気持ちもありましたけど、監督と録音スタジオで会って、ブースに入って何度かやっているうちに手応えを感じました」と報告した。

 片渕監督が、原作・こうの氏の「今までにない大人の声のすずさん、すごく良かったです」という声を伝えると、のんは「うれしい。そう言っていただけるとありがたいです。誉め言葉ですもんね?」と感激していた。

 追加シーンのアフレコはこれから行われる予定。のんは「これから付け足していくシーンは、こうの先生がおっしゃるようにちょっと大人っぽいすずさんだったりするので、その解釈をもっと掘り下げて、監督と密にやっていけたらと思います」とアピールした。