相撲協会から始まって、日大アメフト問題、レスリング、そしてボクシング、チアリーディング、合気道まで…一般常識では考えられないような組織運営がなされていることが判明しました。

筆者は現在は、欧米文化に触れてきた経験を活かした幼児教育を専門としていますが、長年経営者としても、日本や欧米の文化的背景を意識しながら社会の動向を見続けてきました。

今日は、なぜこのような組織ができ、しかも存在しうるのか、最近発表されたイギリスの研究も参考に考えてみたいと思います。

偏った組織ができる仕組み

派閥や学閥と言う言葉は、だれでも一度は聞いたことがあるでしょう。

日本大百科全書によると、派閥とは、ある集団の中で出身、資格、利害、主張、好悪などを共通にする者が、集団全体の動向に影響を与えるために形成した小集団とあります。

子どもの世界では、ただ気の合ったもの同士が集まっているグループと言った感じですが、大人の世界では、ほとんどが利害が一致した者が集まって、自分のグループが有利になるように行動します。

学閥は、出身校による派閥ですね。官僚の世界には東大出が多いとか、大企業では、有名私立大学の出身者が多いとかありますね。

今問題になっているような協会組織は、おそらく言い出しっぺが協会を作り、そこに人を集めていったということでしょう。健全な協会の場合、創始者は、自分が関わるスポーツの発展を願って、組織を作ったのだと思います。

実際、筆者も日本と欧米の優れた点を取り入れた幼児教育の普及のために、協会を作ろうかと考えたことがあります。

ところが、最初は立派な志を持ってはじめても、金銭的な誘惑や、権限を持つことで、すべて自分の思い通りに牛耳りたいという欲望に囚われたり、自身の立場を勘違いして驕りが生まれたりします。

そうすると、当然ながら、自分の言うことを聞く人間しか採用しませんし、いわゆるイエスマンで周りを固めるようになります。

実は、自分の周りにお気に入りを集めようとする人は、自分が気に入った人間には、優しかったり面倒見が良かったりすることが多いのです。ですから、取り巻きと言われるような人達は恩を感じていたりして、何かあっても、トップを守ろうとしますね。

また、日本でも欧米でも、反社会勢力と言われるグループでは、親分やボスのために罪をかぶったり、命を落とすことすらあるのです。

でも、実はこれ、男性社会だからかもしれません。

ロンドン大学衛生熱帯医学大学院とケンブリッジ大学で発表された研究

ロンドン大学衛生熱帯医学大学院とケンブリッジ大学で面白い研究がなされました。それは、青春期における仲間意識(友情)の形成や維持がどのようなメカニズムで起こるのかというものでした。

研究者達は、2015年からイギリスの四つの中学校から450人の生徒を選んで調べました。

この四校は、結果が偏らないように、地理的社会経済学的な違いや田舎と都会、また女子校、男子校、共学校が含まれるように考慮して選ばれました。

ロンドン大学衛生熱帯医学大学院のアダム博士は、長期にわたるリサーチの結果、「男の子は、女の子より排他的で仲間意識が強い。そして子ども時代の評価がずっと続くという結果が示された」と言います。

これは、一人のカリスマ性を持ったリーダーと、その周りに集まった子達の立場は、ずっと変わらないということです。

社会を見渡してみると、確かにカリスマ性を持ったリーダーの周りには人が集まります。

例えば、芸能界のスターに集まる軍団、暴力団や暴走族の強いリーダーに群がる軍団、スポーツ界でも然り。

そして、そういった派閥がいくつかできることによって、一般社会や政界や大企業などでも、出世や成功をめぐる争いは、派閥争いとなるのです。

派閥ができるのは、師やボスと仰いだ人物に強い絆を感じ、仲間意識が強く、そのグループ以外を敵とみなして排他的になるという男性の特性からと言えそうです。

では、女性の組織ではどうでしょうか?