関大と帝人、動きを生地でデータ化するウェアラブルセンサ圧電ファブリックを開発

2015.1.9 19:54配信
開発した圧電ファブリック。左から、平織タイプ、綾織タイプ、サテンタイプ

関西大学と帝人は、動きを生地でデータ化するウェアラブルセンサ圧電ファブリックを世界で初めて開発した。1月14日から東京ビッグサイトで開催する「第1回ウエアラブル EXPO」に展示する。

圧電体は、圧力を加えると電気エネルギーを発生し、逆に電気エネルギーを加えると伸縮する特性を有する物質の総称で、スイッチなどのセンサやスピーカーなどのアクチュエータ(駆動体)として使用されている。関西大学と帝人は、2012年にポリL乳酸とポリD乳酸を積層させることで強力な圧電性能を発揮し、柔軟性や透明性も有する圧電フィルムを共同で開発し、市場開拓を進めている。今回、この技術を応用し、繊維を用いた「圧電ファブリック」という新しいコンセプトのウェアラブルデバイスの開発に成功した。

ポリ乳酸繊維と炭素繊維を使用した圧電ファブリックは、関西大学システム理工学部の田實佳郎教授の指導の下、福井県工業技術センターの協力を得て、「平織」「綾織」「サテン」の3タイプを開発。平織タイプは「曲げ」を感知することができ、サテンは「ねじり」、綾織は「曲げ」「ねじり」に加え、「ずり」や三次元方向を感知することができる。織り方や編み方の種類は数百にも及ぶことから、変位や感知したい方向に合わせた圧電ファブリックの設計が可能になる。

帝人は、将来に向けた発展戦略の目指す方向として、事業や素材の「融合」「複合化」を掲げる。一方、関西大学は産学官連携センターを設置し、産学官連携の取り組みを加速する。今回の開発は、帝人が有するポリマーコントロール技術や織り・編みといったテキスタイル技術と、圧電体の世界的権威である田實教授が長年培ってきた知見とを複合化することによって、産学連携での新しい価値の創出につながる。

今後、関西大学と帝人は、織り・編みによる最適なファブリックの設計に取り組み、これまで不可能だった「着用するだけで精緻な動きのデータ化」の実現を目指す。また、それをもとにに手術や介護などの遠隔医療や、伝統工芸などの職人技の可視化、さらに宇宙開発に至るまで、「人の動きを精緻に再現する」ことによって、これまでできなかったセンシング技術を確立し、インターネット上でモノをコントロールするIoT(Internet of Things)社会の進化に貢献していく。

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