サウジの若者がアニメ・ゲームなどの現場で研修に参加

サウジアラビアのミスク財団は、アニメ・ゲームや金融システム分野で活躍する若者の育成を目的に、スクウェア・エニックス、東映アニメーション、SNK、みずほ銀行4社で、8月30日までインターンシップ研修を実施している。2017年11月に同財団が主催した「ミスク・グローバルフォーラム」に各社が参加したことなどをきっかけに実現したもの。インターンシップを企画したのは、同財団の子会社マンガプロダクションズ。ブカーリ・イサムCEOは「昨年から日本の企業とアニメ・ゲームの共同制作を開始した。今後、両国の共同コンテンツ制作プロジェクトをより多く実施するためにも、人材開発プログラムが不可欠」と語る。 スクウェア・エニックスでは、3名が参加。「FINAL FANTASY XIV」の開発チームの中で、3Dキャラクターデザイン・2Dバックグラウンドデザインなどを学んび、開発現場で働いているクリエーターから直接指導を受けながら武器やアイテム、背景や小物の作品を制作している。

東映アニメーションでは11名が参加。アニメ作画の基本と知識を学ぶ。デッサンや、キャラクターの動きの起点や終点などを示す原画、原画の間を補完する動画の動きや表現方法などに取り組んでいる。

4名が参加しているSNKでは、デザインの基礎からキャラクター制作までをカバー。既存のキャラクターへの色付けや線画の作画などの基礎的な作業から始め、最終的には留学生が自力でキャラクター制作ができるようになることを目指す。みずほ銀行のプログラムには2名が参加。国際部門やプロダクツ部門、市場部門などの各部門での実習を体験することで、グローバルに活躍するサウジ金融人材育成の一助とする。

サウジアラビア・リヤード市にあるミスク財団は、サウジの若者の知識と創造力育成を目標に2011年、同国のムハンマド・ビン・サルマン皇太子が非営利組織として設立。特に工学や経営学、情報技術の各分野でサウジアラビアの優秀な学生を海外の有名大学に派遣するインターシップ留学プロジェクトを実施している。これまでハーバード大学やユネスコなどとパートナーシップを結び活動した実績がある。(BCN・道越一郎)

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