©あべゆみこ

家庭ではどうしたらいい?魔法の伝え方

子どもが3歳ならば親としてもまだ3歳、3年の経験しかありません。つい、目先の子どもの行動を何とかしようと…

「ちゃんとしなさい!」「いい加減にしなさい!」「こら!」「ダメ!」

と朝から晩まで連呼してしまいますが、ただ命令しているだけなので“馬の耳に念仏”状態になってしまいます。親の注意がBGMと化しているのですね。

たとえ一時、行動が収まっても、命じられた言葉に条件反射しているだけなので、また同じことを繰り返してしまうのです。

解決策

子どもの心に響く言い方に変えてみましょう。

食事時、子どもが食器をスプーンで叩いたとき「○○ちゃん!」と子どもの名前を呼びかけるだけ、「ダメ」と言うだけ、「止めなさい」と言うだけですと、この指示命令の言葉に条件反射するだけになってしまいます。

子ども自身が「ああ、食器をおもちゃのようにして遊んではいけないんだなあ」と心から思うように次のように導きましょう。

子どもがスプーンで食器を叩いた場合

  1. 大人が「あれ?」とまず言います。いつもと違う怖い声のトーン、ゆっくりと太い声を出します。
  2. 次に「スプーンは叩くものですか」とわざと丁寧語を使って諭します。「○○さん、スプーンは叩くものですか」と普段呼んでいない言い方「○○さん」とか、下の名前ではなく苗字を使っても効果があります。
  3. 2のとき、子ども自身に「叩くものではない。ご飯を食べるとき使うもの」とあえて正解を言わせてもよいでしょう。
  4. 子どもは一瞬、叩くのを止める筈です。このタイミングを逃さずに、すかさず「そうだよね。よく気が付いて止めることが出来たね」と褒めます。

子どもとの距離を置き、第三者的に親が俳優になって振舞うのです。

食器を擬人化するのは?

たまに「食器さんが割れちゃうよ。泣いちゃうよ」とか、「危ないから」と理由付けしている人がいますが、それは本当の理由ではありません。子どもは案外「食器は泣いていない」とか「これくらい叩いたからって割れはしない」とわかっています。

何故、それがいけないのか、つまり「食器はおもちゃではない」という正しい理由を伝えましょう。子どもも赤ちゃん扱いされていないことが分かり、案外、言うことを聞くようになるものですよ。

そして、食器をおもちゃにしなかった瞬間をとらえて「スプーンで叩きたいのに我慢できているね」と褒めましょう。努力しているのに、それに気が付いてもらえなければ態度はまた元に戻ってしまうからです。

子どもが親の言ったことをしっかり自覚して行動できるようになるには、命令のフレーズに条件反射させていては、なかなか改善しません。ゲームセンターのモグラ叩きのようにならないように気を付けたいものですね。

「ハピママ*」更新情報が受け取れます