CEDEC2018の講演「e-sportsでなにかをしたい人たちへ」で登壇したグルーブシンクの松井悠代表取締役

コンピュータゲームは、今やプレイするだけでなく、他人のプレイを視聴するという楽しみ方も定着してきた。とくに、上級者同士の対戦やエンターテインメント性の高い対戦は「eスポーツ」と呼ばれ、配信される動画やイベント・大会の会場に多くの観客が集まるなど、スポーツのように楽しまれている。このeスポーツをキーワードに、ゲームファンやイベント会社、ゲーム会社、販売者の団結を呼びかけ、市場を盛り上げようとしているのが、グルーブシンクの松井悠代表取締役だ。

松井氏は、「ゲームが大好きなので、ゲームをつくる以外のありとあらゆることをやる」という思いで、ゲーム関連のイベントやゲーム大会、eスポーツ大会を手掛けている。

コンピュータエンターテインメント協会(CESA)が8月22日から24日の期間、神奈川県のみなとみらいにあるパシフィコ横浜で開催する「コンピュータエンターテインメントデベロッパーズカンファレンス2018(CEDEC2018)」。初日の夕方には、松井氏とGamingDの江尻勝代表取締役が「e-sportsでなにかをしたい人たちへ」と題して講演した。

松井氏はまず、「現状、eスポーツは儲かるのか」といった質問には、「飯は食えます」と回答した。その後、「ゲームにはいろいろな楽しみ方、捉え方がある」と説明。プレイ、視聴、開発、コスプレ、音楽を聴くこと、そして競うことの6つをあげた。このうち、競技にフォーカスしたものがeスポーツだとした。

eスポーツは立場によって見方が異なってくる。松井氏の分析では、販売者にとっては、IPビジネス/タイトルプロモーションの一環。ゲーム会社にとっては、コンテンツの一種。プレイヤーにとっては、長く続けられるエンドコンテンツの一種。一般の観客にとってはエンターテインメントの一種として捉えられているという。

eスポーツの普及は関係者全員にメリットがあるはずだが、松井氏は「ゲーム会社からは『うちのゲームをつかわせてやってる』といった声があったり、プレイヤーからは『俺たちがもりあげてやってんだから』といった声があったりと、なぜかにらみ合っている」と危惧する。

これに対し、「せっかくゲームシーンの当事者たちが一緒になれそうな機会なので、みんなが少しずつ歩み寄って、汗をかいて、一緒にもっといいシーンをつくりませんか?」と松井氏は呼びかける。

ゲーム視聴の文化が根付いてきた現在の状況を踏まえて、例にあげたのは、ゲーマーが見る情報とそのゲームプレイの視聴者が見る情報を出し分けるという施策。「リーグ・オブ・レジェンド」のように、有名なタイトルでも初心者が見たら何が起きているのかわからない場合、「誰と誰が何をしているのか」「今試合はどちらが優勢なのか」などの情報を視聴者用に用意できれば、わかりやすさは大きく向上するだろう。

なお、大会には実況者がつく場合が多いものの、全ての戦況を詳しく伝えることは現実的ではない。また、視聴者用の情報を用意するには、開発の手間がかかることについても懸念していた。

また、ゲーム会社への要望としては、イベントや大会のガイドライン作成をあげた。現状、ゲームを使ったイベントや大会を開催する場合、該当するゲームタイトルの販売者にその都度許可をとる必要がある。松井氏がゲーム会社に確認したところ、「複雑で大変難しい」との回答だったというが、「一度つくれば後は勝手にコミュニティや大会が開かれ、そのタイトルの宣伝にもなる」と、双方のメリットを提示し、協力を促した。

松井氏は、「いつか、開発者、販売者、プレイヤーが一緒になってeスポーツシーンをつくることができたら、とても素敵なんじゃないかな、と思っています」と締めくくった。

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