特別な、美しいMEJIBRAYのロック・ショー

撮影・seka

悲鳴や騒音が鳴り響く不穏なSEが流れる中、開演を待ちわびる観客。そんな中、突然女性の声でアナウンスが鳴り響きました。

「このショーはご来場者さま参加型の舞台です。ここ、渋谷公会堂にて新たな歴史のページが刻まれることになります!」そして主催者のミスターXを名乗る人物から「ハッハッハ…皆さんお揃いのようで、ザ・シアトリカルショウへようこそ、私はミスターX。今日はMEJIBRAYという素敵なショーが見られるらしいじゃないか。せいぜい楽しませておくれよ…。」などと謎のメッセージが残して、幕が開きました。

『IDEA』が流れ、白い幕にメンバーのシルエットが順番に映し出されます。
幕が落ちた瞬間、悲鳴のような完成に包まれる渋谷公会堂。1曲目は『シアトリカル・ブルーブラック』、天を仰ぐ綴(Vo)。舞台の上手はズラリと並んだマーシャル・アンプとギターMiA(G)らしすぎるほどにらしいセット。下手はシャンデリアと神殿の廃墟、恋一(B)の真っ黒なドレスと相まって幻想的です。後方にはドット柄の装飾が施されたメト(Dr)のドラムセット。各メンバーの個性が象徴されるようなステージ。そして壁一面のスクリーンには額縁が。これは視覚的要素も重要視された舞台なのだと感じさせられます。

 

続いて『DiefiL』『Hungry Psychopath』、『Mr.レインは死んだふり』ではスクリーンに雨が映しだされ、白い傘を持ち出してそれをもて遊び、最終的には床に叩きつけて破壊する綴。
オリエンタルなイントロからヘドバンの海に変わる『埋葬虫』、一転して壮大なバラード『Echo』。「見えているか」という綴のつぶやきから『瞬間のアイディアル』、スクリーンに月が映しだされます。

『BOWWOW』の間奏では「ワンワン」とイヌのようなパフォーマンスをする綴。くるくると回転するMiA。「殺す!殺す!絶対殺してやる!」と『SUICIDAL WORD GAMEへ。スクリーンが真っ赤な血しぶきで染まっていき『Cristate』。

そして水の底に落ちていくような映像がスクリーンに映しだされ『鳥は泳ぎ方を知らず溺れ亡骸』。『COPERNICUS』の流れる中、深い深い水の底で死に絶えてしまうかのように崩れ落ちる恋一とMiA、マイクケーブルで首を括り、赤いスポットライトが当たりその場に倒れた綴。

最初から最後までアルバム『THE "420" THEATRICAL ROSES』どおりのセットリストを完璧に演じ切り、観客の拍手に包まれて幕を閉じました。