ヤマザキパンから出ていて、スーパーでもコンビニでもよく見かけるという人も多いと思います、「ランチパック」。僕は長年ランチパックを趣味で研究していて、『ランチパックの本』という本も書いたのですが、このランチパック、約30年の歴史の中で今までに出た味の種類は4ケタに迫ろうとしています。3ケタじゃないですよ、4ケタ! 

今日はそんなランチパックの基本の基本、定番中の定番である「ピーナッツ味」と、セブンイレブン限定だと思われる「深煎りピーナッツ」味の比較をしながら、ランチパックの謎的なものなどに触れていこうと思います、どうぞよろしくおねがいします。 

これがランチパックです。左が「ピーナッツ」、右が「深煎りピーナッツ」です。どちらもサンドイッチ2枚入り。深煎りの方はパッケージが若干ゴージャス。タイトル帯もメタリックなインクで印刷されていて高級路線というような雰囲気が漂っています。一方ピーナッツの方は比較的シンプルなデザインでかわいい感じです。

パッケージイラストもスタンダードな左に比べ、くだけた右側。女の子が良き伝統の守るべきトコを守りつつ、男の子のハンマーが既成概念の破壊と前進を表現……しているわけではなく粒入りであることを表しているのでしょう。

外見はほとんど変わりなし。ご存知の方も多いと思いますが、ランチパックはランチパック専用の食パンを工場で圧着加工し、「こぼさずに食べられるサンドイッチ」になっています。この宇宙食的な未来感も大きな魅力のひとつです。

 ランチパックは中の具材によってかなり分厚さのバリエーションがあるのですが、その点も両者ほとんど違いは解りません。どちらもピーナッツを使用していて、アレルギーを持つ人が食べてしまわないようにピーナッツマークの焼き印がされています。かわいくて人の役に立っていて、こういうところも僕は好きです。 

さて肝心の中身。左のピーナッツが均質なピーナッツバターなのに比べ、右の深煎りはざらざらとした感じで、ピーナッツの粒子が入っているのが見てもわかります。味もチョコレートクリームのようなペースト感をピーナッツが提供しているのに対して深煎りでは素材の食感が楽しめ、わずかな苦みが入ってくるのがとてもおいしい。逆にトーストした時のパン表面のザクザクした感じが際立つのはピーナッツの方かな、と思います。 

まんじゅう類やいなり寿司など、パッケージ系の料理は、その中に何が入るかが重要。包材にパンを選択しているランチパックは、「やぶれやすい、液体に弱い」などのさまざまな弱点があります。そういう制約の中で、毎月期間限定の新製品を開発し、その上、地域限定ラインナップまで揃える。そのような開発力の高さが全国に愛好家・ランチパッカーを増やしているのだと思います。今後もランチパックに関して色々書いていきますので、どうぞよろしくおねがいします! 

かやま・てつ 漫画家、ゲーム作家。自作のインディーズ出版者ごっこ「ドグマ出版」で自分に漫画新人賞を与えてデビュー。著書に『ランチパックの本』など。mixiやmobage、GREEなどのゲームアプリや、iPhone向けのゲームも制作。公式HP