が~まるちょば が~まるちょば

サイレントコメディー・デュオ「が~まるちょば」が、マイムをベースにしたプロフェッショナル役者集団を結成。「ザ・が~まるちょばカンパニー」として、全国ツアーを行う。そこで赤いモヒカンのケッチ!と、黄色いモヒカンのHIRO-PONに、現在の思いを訊いた。

ザ・が~まるちょばカンパニー 1st JAPAN TOUR チケット情報

今回は6人編成となるカンパニーだが、が~まるちょばが多人数での作品づくりを開始したのは2010年の「が~まるちょばプロジェクト」から。その時の感触を「意外と難しかった」とHIRO-PONは明かす。それは自分たちと他のメンバーとの経験の違い、さらに一番の難題だったのが…。「お客さんのフォーカスがいろんなところに向いてしまうことですね。特にパントマイムはせりふがないだけに、下手をするとまとまりのないものになってしまう」とHIRO-PONは危惧する。

その分、メンバーの技量の高さが必要になってくるわけだが、ケッチ!が「これまではふたりしかいませんでしたが、6人なら6つのキャラクターをいっぺんに登場させることが出来る。それはお客さんからすると観やすくなると思いますし、感情移入もしやすくなると思いますよ」と語るように、多人数によるメリットももちろん大きい。

現段階でのカンパニーのメンバーは、ダンス&サイレントコメディー「GABEZ」のMASAとhitoshi、2010年に始動したプロジェクトのメンバーでもある角谷将視と濱口啓介。HIRO-PONが「後輩である彼らにどんどん成長してもらえれば、僕らにとっても刺激になる」と、さらにケッチ!が「6人のバランスを大切にしつつ、僕らも気づかなかった、想像以上のことがひとつでも発見出来ればいい」と語り、若いメンバーに対しそれぞれが大いなる期待を寄せる。

今回披露される長編『ヒーロー』は、2013年に一度発表されたものをブラッシュアップ。のどかな日常を送っていた老人たちに、ある日とんでもない出来事が巻き起こる。作・演出を手がけるHIRO-PONは、「パントマイムの大きな利点は、観た人の数だけストーリーを感じられるということ。そういった意味で今回の『ヒーロー』も、観た人の数だけ、その人だけの“ヒーロー”を感じられるんじゃないかと思います」との思いを込める。

全体構成の中には、ストーリー性の高い長編だけでなく、ライブ感あふれるショーも。「今までに観たことのないパントマイムのかたちが垣間見えるかも」とHIRO-PONが、「初心者の方大歓迎!」とケッチ!が自信を持ってお送りするカンパニー初のツアーは、4月に神奈川から幕を開ける。

ツアーは4月3日(金)KAAT 神奈川芸術劇場 ホールでスタート、7月9日(木)から始まる東京・天王洲 銀河劇場公演まで全国で公演。チケットぴあでは山梨・千葉・埼玉・東京公演のインターネット抽選先行を1月26日(月)午前11時まで受付中。

取材・文:野上瑠美子