写真:古溪一道
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また、『Smile』の猛々しくも温かいアウトロだったり、『R.I.P.』の静と動を行き来する繊細なアンサンブルだったり、バンドの演奏の素晴らしさをたくさん感じたライブでもあった。藤原基央という稀代のボーカリストによる唯一無二の声が、決して特別なものとしてではなく、BUMP OF CHICKENの音楽を構成するピースのひとつとして、すっと心に入ってくる。声、演奏、メロディ、歌詞、どれかが突出するわけでなく、すべてが重なりBUMP OF CHICKENの音楽として機能する。これは音楽家としてとても幸福なことではないだろうか。ありのままの自分たちを届けたいというバンドの意思が、こんなところにもしっかり表れていた。

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ライブ終盤、『supernova』で起こった大合唱の心地良い余韻に包まれる中、藤原がアルペジオのイントロを奏で始める。アルバム『COSMONAUT』の最後を飾り、ツアータイトルの由来にもなっているであろう『beautiful glider』。この曲に登場する、夜明け前の空に飛び立とうとするグライダーの姿は、会場に集まった自分を含む観客ひとりひとりであり、会場に来られなかった大勢のファンひとりひとりであり、これまで彼らの楽曲に登場してきたさまざまな登場人物であり、バンド自身の姿であると思う。藤原はこの日、歌のある場所でCDと歌詞を変えて歌った。誰にも見えない、雨雲の中を行くグライダーたちが、音楽を通じて互いを見つけ出し、ここで出会えた奇跡を静かに祝福するような、どうしようもなく愛おしく、切ない時間だった。

でもそれはこのライブだけの特別なものではなく、本当は日々の日常を生きるということも、そんな奇跡の連続なのだ。生きているということは、当たり前のことじゃない。“いま、ここに生きているということ”を、ステージの上で呼吸し、音楽を鳴らすことで、こんなにも雄弁に伝えてくれるバンドは、他にいない。その理由はシンプルで、BUMP OF CHICKENがそもそも、そういうことだけを伝え続けてきたバンドだからだ。ステージの上で、自らの音楽を奏で、歌い、そしてステージから去っていった4人。“BUMP OF CHICKENのライブを見た”のではなく、“BUMP OF CHICKENと共に生きた”。そう言いたくなる2時間半だった。そしてその時間はライブが終わった後も、彼らの音楽に触れることで、いつでも心の中に甦るのだ。

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『BUMP OF CHICKEN 2012 TOUR「GOLD GLIDER TOUR」』

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4月7日(土)・8(日) 千葉 幕張メッセ国際展示場9・10・11ホール(2012/3/11(日) 10:00より発売)
4月24日(火)・25(水) 大阪 大阪城ホール   (2012/3/11(日) 10:00より発売) 
5月3日(木・祝) 金沢 石川県産業展示館4号館   (2012/3/11(日) 10:00より発売) 
5月6日(日) 新潟 朱鷺メッセ・新潟コンベンションセンター   (2012/3/11(日) 10:00より発売) 
5月12日(土) 札幌 北海道立総合体育センター 北海きたえーる   (2012/3/11(日) 10:00より発売) 
5月19日(土) 徳島 アスティとくしま   (2012/3/11(日) 10:00より発売) 
5月26日(土) 広島 グリーンアリーナ   (2012/3/11(日) 10:00より発売) 
6月2日(土) 福岡 マリンメッセ   (2012/3/11(日) 10:00より発売) 
6月9日(土) 静岡 エコパ・アリーナ   (2012/3/11(日) 10:00より発売) 
6月20日(水)・21(木) 神戸 ワールド記念ホール   (2012/5/13(日) 10:00より発売) 
6月26日(火)・27日(水) 名古屋 日本ガイシホール   (2012/5/13(日) 10:00より発売)  
7月3日(火)・4日(水)・7日(土)・8日(日) 東京 国立代々木競技場第一体育館   (2012/5/13(日) 10:00より発売)  
7月14日(土) 宮城 セキスイハイムスーパーアリーナ(グランディ・21)  (2012/5/13(日) 10:00より発売) 

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