「悪の知識を使って悪人と対峙する職業」は現実に存在する
どの事例にも共通しているのは探偵が「犯罪者の手口を熟知している」「犯罪者と同等以上のスキルを身につけている」という2点だろう。裏の世界の知識があるからこそ、困っている依頼者に的確なアドバイスとサポートができる。たしかにこれは一種の“裏コンシェルジュ”と呼ぶべき職業だろう。
ドラマ『ブラックリスト』でも、凶悪犯の行動が読めず右往左往するFBIスタッフに対し、レッドが次のようなセリフを投げかけるシーンがある。「見方を変えない限り(敵の最終的な狙いは)見つからん」「犯罪者のようにだ。思うより簡単だぞ。見本を見せようか?」——犯罪に手を染め、犯罪者とのネットワークを持ち、犯罪者の手口と心理を知り尽くしている“犯罪コンシェルジュ”だからこそ言えるセリフだ。
毒をもって毒を制す、毒を知っているから薬を作ることができる——その言葉に従うなら『ブラックリスト』に登場するレッドはとびきりの猛毒だ。彼の毒が犯罪者に向けられている間は頼もしい味方だが、もし敵に回った場合は世界中を震撼させる最悪の犯罪を起こすに違いない。
たびたび協力相手のFBIをもあざむきながら、なぜか親子ほど年齢差がある新米捜査官のエリザベスにだけは特異な執着心を示すレッド。彼の真意は一体どこにあるのか? フィクションであることを忘れてしまうほどの圧倒的リアリティを伴った超大型アクション・サスペンスドラマは一見の価値がある。「悪の知識を使って悪人と対峙する職業」が現実に存在することを知ってから視聴すると、また格別な楽しみがあるかもしれない。
・『ブラックリスト シーズン2』は海外ドラマ専門チャンネル「スーパー!ドラマTV」にて2月17日(火)夜10時スタート ※2月2日(月)〜シーズン1を連日2話連続で全話集中放送