タイプの人と上手くいくという“思い込み”

例えば、私自身の体験。自分にぴったりの相手だと思い込み、「タイプの男性は?」と聞かれれば、恋愛にも仕事にもあまりガツガツしていない、どこか余裕を感じさせる“お坊っちゃん系”と答えていました。でも、これが実際に付き合うと、どの人もどの人も、ぶつかることが多かったのです。

今は分かるのですが、跡継ぎとして不自由なく育ち、一般人がする苦労を経験していない彼らには、自己主張の激しい、小生意気な私がかわいくなくなっていったのです。うまく行くはずはないのですが、当時は、お坊ちゃんタイプの人と幸せになれると信じていました。

「タイプの相手と幸せになれるとは限らないんだ…」と気付いたのは、タイプではなかいけれど、普通の家庭で育った、苦労もしてきた人と付き合ってみたから。今まで付き合ったことのないタイプの人と付き合って初めて、自分に合う人がわかるものです。

 

ストライクゾーンは広くていい

結婚した友人に聞くと「全くタイプじゃないのに付き合ったら楽しかったし、私には最高の相手」と言う人が多くいます。

また、知人の男性は、かつて松下由樹がタイプで、周囲からは面食いだと言われていました。好みにこだわる彼は、四十歳近くまで独身。でも、その彼が結婚を決めたのは、(おそらく)体重は80キロ近くありそうな、ダイナマイトボディーで、性格は最高に明るい、魅力的な女性でした。「タイプは松下由樹じゃなかった?」と聞きたい衝動に駆られますが、仲良し夫婦なので黙っています。タイプと実際に幸せになれる相手は別です。

理想のタイプを追い求めることを否定するわけではありません。タイプの相手だからこそ、幸せになれる人もたくさんいます。でも、タイプにこだわるあまり、チャンスを逃すのは勿体ない! タイプじゃないけど素敵な人が目の前に現れたら、試してみるのも悪くないですよ!

大学院卒業後、銀座のクラブホステスになるという異色の経歴の持ち主。「銀ホスライター」として、老舗クラブで磨いたコミュニケーション術&営業テクニックを、悩めるビジネスパーソンに向けて紹介。恋愛・結婚・出産など、女性にとって身近な問題を研究し「今よりちょっとだけ人生を豊かにする方法」を提案しています。