DMM、世界初のロボットキャリア事業「DMM.make ROBOTS」をスタート

2015.1.27 19:35配信
「DMM.make ROBOTS」の提携各社が一堂に会した

DMM.comは、1月27日、世界で初めてロボットキャリア事業を開始し、コミュニケーションロボットやホビーロボットを中心にロボットを販売するプラットフォームを構築すると発表した。同時に、2014年末に開設したハードウェアのスタートアップを支援するものづくり施設「DMM.make AKIBA」を、技術力の共創の場としてロボット開発ベンチャーに提供し、オリジナルロボットの開発にも取り組む。

発表会の冒頭、松栄立也社長は、「ロボット開発はたびたびニュースになるが、『10年前から進歩しているかどうか、わからない』という声が聞かれる。日本のロボット産業が陥っている状況を打破し、世界をリードする分野に発展させるために『DMM.make ROBOTS』の設立を決意した」と、事業参入の経緯を語った。

「ロボット産業は飛躍的に技術が進歩しているが、コンシューマ向けでは伸び悩んでいる」と、現在の市場動向を説明したロボット事業部の岡本康広部長は、その理由として、開発したロボットを収益化する道筋を立てることができない「事業化意識の欠如」と、企業間連携ができないことによる「産業技術のガラパゴス化」という二つの課題を挙げた。新たに開始するロボットキャリア事業は、協業(アライアンス)するメーカーやベンチャー企業のロボットを販売するだけでなく、「DMM.make AKIBA」を技術力の共創の場として提供することで、二つの課題の解決を目指す。

当初のアライアンスメンバーは、富士ソフト、ユカイ光学、プレンプロジェクト、ロボットゆうえんちの4社。特別タイアップとして、ディアゴスティーニ・ジャパンが参加する。

富士ソフトの「Palmi(パルミー)」は、主に高齢者福祉施設で活用されている会話ロボット「PALRO(パルロ)」の技術をコンシューマ向けに転用したコミュニケーションロボット。顔と名前を10人まで記憶し、相手を認識したうえで、自然に会話することができる。インターネット上から最新のニュースや天気予報を取得し、会話相手に合わせて情報を伝える機能をもつ。また、歌やダンスなど多彩な動作に対応し、プログラムをアップデートすることで新しいアクションを身につける。税別価格は29万8000円。

ユカイ工学の「BOCCO(ボッコ)」は、子どもを含む家族間でのコミュニケーションをサポートするために開発したロボット。家に設置しておけば、外出先から簡単に伝言を残すことができる。音声の送受信だけでなく、テキストを音声に変換して出力することもできる。センサでドアの開閉を感知・通知する機能をもち、家族を遠隔から見守る用途にも活躍する。税別価格は2万9000円。

プレンプロジェクトの「PLEN.D(プレンディー)」は、会話能力はないが、ボールを蹴ったり、ローラースケートをしたりと、抜群の運動性能を誇る。スマートフォンのアプリで簡単にコントロールでき、マイクロソフトの音声・ジェスチャー認識デバイス「キネクト」に合わせて操作するソフトウェアも用意する。税別価格は16万8000円。

ロボットゆうえんちの「プリメイドAI」は、世界初の本格的ダンシングロボット。ダンスのモーションデータをダウンロードして本体に転送するだけで、パーツの細部までが動くダイナミックなダンスを踊る。音声ユニットや拡張基盤など、オプションパーツは開発中。税別価格は9万9000円。

ディアゴスティーニ・ジャパンの「Robi」は、『週刊Robi』全70号に付属するパーツを組み立てることで完成するロボット。感情を伴った会話ができ、第3版が出るほど人気を集めている。特別タイアップ企画では、「DMM.make ROBOTS」が組立てを代行した完成品を販売する。販売価格は未定。

「プリメイドAI」以外は、4月1日に予約を開始し、5月1日に発売。「プリメイドAI」は9月に発売する。

事業の開始を祝して駆けつけた「Robi」の開発者でロボットクリエーターの高橋智隆さんは、「ロボット産業は日本のお家芸といわれてきたが、ビジネスマインドの高い海外勢が本格的に参入してきたことで、そのリードを急速に失いつつある。旧来の体制を変える大規模なロボット販売プラットフォームが誕生したことで、世界と戦う力は必ず高まるはずだ」と、エールを送った。

発表会後には、アライアンスメンバー各社の代表と、ロボット研究の第一人者である首都大学東京の久保田直行教授、SNS株式会社ファウンダーの堀江貴文さんがトークセッションを開催。インターネットにつながることで付加価値を生み出す「スマートロボット」の未来について、熱い議論を展開した。

話題の中心は、「スマートロボットはポスト・スマホとなりうるか、否か」。久保田教授は「スマートロボットの役割は、生活を支援するパートナーになることと、自分の分身として機能すること。いまのスマートフォンが担っているポジションに代わるのではないか」と持論を展開。これに対して堀江さんは、「ロボットは用途が不明確で、消費者に浸透するまでには時間がかかる。同じ目的ならハードウェアより、ARなどソフトウェアを利用するほうが効率的だ」と反論した。

松栄社長はヒートアップした議論に圧倒されながらも、有識者の語るロボットの可能性に感心した様子で、「ロボットが生活に浸透する未来が早く訪れるように尽力したい」と、セッションを締めくくった。

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