子どもの気持ちを汲み取る

どんなに喚いても後ろの人に迷惑がかかっても「子どもに我慢を教えるしつけをするんだ!」と腹をくくらなければなりません。このぶれない信念がなければ買い物の度に親子で押し問答になってしまいます。

でも、実際に美味しそうなお菓子を目にしたら、食べたくなるのは当然です。子どもがお菓子を欲しがったとき、まず、その気持ちを親が汲み取ってやりましょう。“共感”です。

「このお菓子とっても美味しそうだね。食べてみたいよね~。でも、今日は買わない約束をしたよね」と言うのです。

3つの秘策

それでも子どもがお菓子を欲しがったら、方法は3つあります。

  1. 急いでレジを済ませてさっさと帰る
  2. レジ係の人に「今日は買わないで帰ります」とカゴの商品をすべてキャンセルして帰宅する
  3. 「すみません。子どもが騒いでいるのでお先にどうぞ」と後ろの人に順番を譲る

そして子どもを外に連れ出すか、階段の踊り場かトイレに連れていき「出かける前に買わないって約束したよね、約束を守れないのならばもう帰ります。明日からもお買い物には連れて行きません」とビシッと言うのです。

子どもの心に響けばスーパーに戻って買い物を再開できるかもしれません。泣いて喚いて手が付けられなかったら今日の買い物は諦めて帰宅しましょう。

次回、行うこと

翌日スーパーに行く前に家で「今から夕飯の買い物に行くけど、この間あったこと覚えてる?買い物が出来なかったよね。 お菓子は買いませんよ」と約束させます。

そして、スーパーの前まで行ったら中に入る前に再度思い起こさせます。すると、数分は欲しがることがないでしょう。ここで忘れてはならないことは、少しの間でも我慢していることができたら「お菓子欲しくても我慢出来ていて偉いね、立派だよ」と褒めることです。

  1. 振り返り
  2. 直前の念押し
  3. 我慢出来たらほめる

です。

朝の光景

こんな場面もあります。

通園バスの発車時刻が迫ってきているのにいつまでもおもちゃが散らかっている、トイレも済ませていない様子を見て毎朝毎朝、機関銃のように「早く片付けなさい」とせかす毎朝の光景。「まだ遊んでいたい!」と駄々をこねる子どもとのバトルが繰り返されます。

こんなとき「ああ、もう時間がない!」と、ついさっきまで子どもに片付けるように言っておきながら、さっさと親が片付けてしまいたくなります。でも、こうなると子どもは「最終的にはママが片付けてくれる」と考えてしまうので、いつまでも自分から片づける習慣はつきません。

更にここで痛い思いをさせないと子どもは学ぶことが出来ません。「もう出かける時刻過ぎそうだから、ママは先に行っているね」とドアから出る振りをするのです。

幼い子ども一人でバス停まで行けません。だから大慌てて「ママ、待って~」と片付けて飛び出していくでしょう。

我を通すのは悪くない

ちょっと荒療治に見えるかもしれませんが、毎回毎回、親子喧嘩するよりも一度、こんな経験をさせましょう。親が約束を翻さない、毅然とした態度がポイントです。

買わないと言ったら絶対に買わない、○時には家を出ると言ったら絶対に出かける、どんなに騒いでも“アカンものはアカン”と通すのです。そうすると、子どもはダメなものはダメなんだと学びます。

子どもが我儘を言うのは当たり前です。でも「人生には思い通りにいかないこともある」ことを学ばせることも必要です。そして忘れてはならないことは、我慢できたら、親は「欲しくても我慢できて立派だよ」とほめることです。

ちょっとだけ見方を変えてみましょう。我儘を言えるなんて素晴らしいことじゃないですか。自分がこうしたい、ああしたいと思った時、自己主張できることはとても素晴らしいことです。

自分の意見を言わない、嫌なことを断れないなど感情を押し殺す癖をつけてしまうとこれからの人生で苦労します。しつけはしなくてはならないですが、我儘を言うことは決して悪いことではないことも、頭の片隅に入れておきましょうね。