快調に躍進を続けるコンビで聴くドイツ音楽の正統

2015.2.2 12:00配信
ドレスデン国立歌劇場管弦楽団 ドレスデン国立歌劇場管弦楽団

いま、世界のオーケストラ界で最も注目を集めているコンビと言ってよいだろう。指揮者クリスティアン・ティーレマンとドレスデン国立歌劇場管弦楽団(シュターツカペレ・ドレスデン)がおよそ2年半ぶりに来日。2月22日(日)から24日(火)に東京と横浜で公演を行なう。

「クリスティアン・ティーレマン指揮 ドレスデン国立歌劇場管弦楽団」の公演情報

ドレスデン国立歌劇場管弦楽団は、名前のとおりドレスデン国立歌劇場(ゼンパーオペラ)の座付きオーケストラだが、その歴史は劇場の創建よりずっと古い。1548年に組織されたザクセン選帝侯の宮廷楽団を起源とする彼らは、オペラ劇場どころか、16世紀末にイタリアでオペラそのものが生まれる前からの長い伝統を持っているのだ。

クラシック音楽ファンの多くは、このオーケストラのサウンドをしばしば「いぶし銀」と形容する。「華やかさには欠けるが実力がある」というその本来の語義からは、地味で目立たないという印象を思い浮かべるかもしれないが、そうではない。「熟成」「落ち着き」「慈しみ」。そんなキーワードをイメージするとよいと思う。情報や人の行き来が制限されていた冷戦時代に、結果として伝統が「冷凍保存」されていたこともそのキャラクターの醸成に大きく関係しているのだろうけれど、メンバーの採用が自由になり、ドレスデンの響きがどんどん新しくなっている現在でも、ベースにあるのはやはり「いぶし銀」のサウンドだ。これぞ、まさに伝統。その響きが真価を発揮するのはなんといってもドイツ系の音楽で、深いツヤを放つ彼らの演奏は、ワーグナーやR.シュトラウスを始めとする歴史上の多くの大作曲家たちを刺激し、幾多の作品がこのオーケストラに献呈され初演されてきた。

2012年から首席指揮者としてドレスデンを率いるティーレマンは1959年ベルリン生まれ。すでに現代の巨匠としてのポジションを確立している存在で、とりわけ往年のドイツの巨匠指揮者たちの正統な継承者としての評価は高い。現代的なセンスをバランスよく持ちながらも、その解釈は良い意味で保守的。ドレスデンとの両者の相性はアプリオリに保証されていたとさえ言えるかもしれない。

今回も、R.シュトラウス、ブルックナーを軸に、ドイツ音楽のメイン・ストリームを満喫できるふたつのプログラムを携えての来日。首席指揮者就任後3シーズンをかけて、いよいよ深まっている両者の蜜月を、私たち日本のファンに見せつけてくれるにちがいない。

文・宮本明

◆クリスティアン・ティーレマン指揮 ドレスデン国立歌劇場管弦楽団
2015年2月22日(日) 14時開演 横浜みなとみらいホール
2015年2月23日(月) 19時開演 サントリーホール
2015年2月24日(火) 19時開演 サントリーホール

[お詫びと訂正]2015.2.5
※上記公演情報の横浜公演の開演時間に誤りがございました。
【誤】19時開演
【正】14時開演
お詫びするとともに、ここに訂正させて頂きます。

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