栃木ブレックスを下し、『B.LEAGUE EARLY CUP 2018 KANTO』連覇を果たしたアルバルク東京の面々 栃木ブレックスを下し、『B.LEAGUE EARLY CUP 2018 KANTO』連覇を果たしたアルバルク東京の面々

開幕1か月前とは思えない熱戦が繰り広げられた。9月9日、ブレックスアリーナ宇都宮でのことである。『B.LEAGUE EARLY CUP 2018 KANTO』決勝・栃木ブレックス×アルバルク東京の話だ。

前日、栃木は千葉ジェッツを88-77、A東京はサンロッカーズ渋谷を78-33で下し、決勝に駒を進め、Bリーグ初代王者と第2代王者の対戦が実現。王者対決で1Qに主導権を握ったのがA東京。アレックス・カークが早速ふたケタ得点に乗せる活躍で21-14とリードする。2Qになると栃木のライアン・ロシターがふたケタ得点を叩き出すとともに、ハードなディフェンスが機能し、36-33と逆転した。3Qはロシターが順調に得点を伸ばせば、A東京はファウルを誘いフリースローを確実に沈め加点、52-53と1点差に迫った。勝負の4Qは栃木が仕掛け、再び5点差をつけるも、A東京は慌てず騒がず。残り3分35秒、A東京はミルコ・ビエリツァの3ポイントが決まり、64-64の同点に。その後も栃木が点差をつけようとするも、A東京が食らいつく展開が続き残り33秒、小島元基が3ポイントシュートをズバリ、ついに71-70と逆転。フリースローの1点を追加したA東京が劇的な逆転勝利を奪ったのだった。

A東京は完全アウェイの中、馬場雄大、竹内譲次、田中大貴の3人を日本代表で欠き、8人がフル稼働するという三重苦の中、『B.LEAGUE EARLY CUP KANTO』連覇を果たした。殊勲の3Pを沈めた小島は「少ない人数でも練習から常にハードにやってきたので、それが結果になった。これからもハードなトレーニングを続けていくだけ」と胸を張った。「栃木のホームという厳しい状況の中、選手たちは本当に最後まで諦めずに戦ってくれた」と選手を称えたルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチは「2Q栃木に流れを持っていかれ、『3Qの出足がポイントになる』とハーフタイムに選手たちに伝えた。この後半の頭に流れをつかんだのが大きい」と勝因を挙げた。

一方、ホームでタイトルを逃した栃木に、ショックの色はない。田臥勇太が「手応えしかない。いい意味で課題が出た2試合だった。個人としてもチームとしても、先につながる試合になった」と満足気な表情を見せれば、渡邉裕規も「本当に悔しい試合。勝ちたかったが、開幕前にしてはいい経験になった」と前を向いた。

また同日に行われた3位決定戦は千葉がSR渋谷に72-64、前日に開催された5位決定戦では川崎ブレイブサンダースが横浜ビー・コルセアーズに74-69で勝利。

A東京に栃木、千葉、SR渋谷と1か月後に開幕する『B.LEAGUE 2018-19』でも、東地区勢がV戦線の中心となることを予感させる『B.LEAGUE EARLY CUP 2018 KANTO』となった。残り1か月、各チームとも課題を解消し、さらにチーム力を高めて、新シーズンに臨む。