ノリの良さと繊細さにハマる『ボンベイドリームス』

2015.2.3 18:50配信
左から、加藤和樹、すみれ、浦井健治、朝海ひかる、川久保拓司 左から、加藤和樹、すみれ、浦井健治、朝海ひかる、川久保拓司

浦井健治が主演するミュージカル『ボンベイドリームス』が1月31日、東京国際フォーラム ホールCにて開幕した。インドのモーツァルトと称され『ムトゥ・踊るマハラジャ』『スラムドッグ$ミリオネア』などの音楽を手掛けたA.R.ラフマーンが作曲、ロンドンやブロードウェイでヒットを飛ばした作品の日本初演である。

ミュージカル『ボンベイドリームス』チケット情報

主人公アカーシュはボリウッドの映画スターを夢見るスラム育ちの青年。彼は幼なじみのスウィーティに連れていかれた美女コンテストがきっかけで、映画スターへの道を掴む。そこで映画監督志望の美女プリヤに恋に落ちるも、彼女には敏腕弁護士の婚約者がいた。その弁護士ヴィクラムは、アカーシュが生まれ育ったスラム街の再開発に関わっている。スラムを追い出されることになる住人たちだが、彼らにはなすすべもない。そんな中、スラム出身との噂が立ったアカーシュは自らその噂を否定する……。

インド音楽特有のリフレインの多いメロディや独特の節回しなどは中毒性が高く、耳に残る名曲揃い。キラーチューン『Shakalaka Baby』などの華やかなダンスシーンは、ボリウッドらしいきらびやかさだ。だが演出の荻田浩一は、虚構=ボリウッド(映画)の世界の対比として、リアル=インドの格差社会をシビアに丁寧に描き出す。さらにアカーシュのスター性とまっすぐな思いを持ち前の朗らかさで演じた浦井健治はじめ、キャストの熱演で、登場人物それぞれが信念を抱くがゆえのすれ違いや、ままならない恋心がしっかりと浮かび上がり、日本人の心情にも寄り添う、繊細で心に染みる作品になった。

初日前日にあたる1月30日には、メインキャストである浦井、すみれ、加藤和樹、川久保拓司、朝海ひかるの5名が報道陣の前で意気込みを語った。「ダンスや歌もボリウッドの世界に入り込める感じで、すごく楽しいミュージカル。ストーリーがとても素敵です。本当に(人の心は)思ったとおりにいかないのかなと…。共感できるところがいっぱいあります」とヒロイン・プリヤ役のすみれが語れば、浦井は「このカンパニーならではの『ボンベイドリームス』に仕上がっていると思います。格差社会や差別というものが少し浮き彫りになりますが、最後には希望、一筋の光のようなメッセージがこめられます」とアピール。ノリノリの楽しさと、切ない思いが同居するミュージカル。隅から隅まで味わってほしい。

公演は2月8日(日)まで同劇場にて。2月14日(土)・15日(日)には大阪・梅田芸術劇場 メインホールでも上演される。チケットは発売中。

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