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日本では「特に日本人に響く作品だ」とも言われていますが

ユアン「確かにクリストファーというのは仕事を頑張りすぎてしまっていて、それはワーカホリックだからそういうふうになっているわけではなく、善人だし責任を持つポジションについている。

そこで予算をなんとかカットしなければクビにしなければいけない人が出てくる。

それで生計を立てている人がいるわけで、失職させるわけにはいかない。

そういう思いで仕事と向き合っているのだと僕は思うんですね。

決して仕事のために仕事に励んでいるわけでは無いとは思うんだけれども、それと同時に自分の家族との距離感ができてしまっている。

また戦争に行ったことで自分自身との距離というのも繋がりを失ってしまっているのだとは思うんですよね。

それでそれを再びどうやって繋げたらいいのかと葛藤しているのがクリストファーじゃないかと思う。

日本人の働き方とか話題には出てくるので聞いてはいるんですけれども、よく知らない自分が文化とか仕事に対する哲学みたいなことを語ることはできないけども、やっぱり仕事に時間を割き過ぎていて、人生をエンジョイしなければいけない時間をそれによって小さくなってしまっているのであれば、確かに比べられるところがあるかもね。」

プーから見た「クリストファー・ロビン」はどのような存在ですか?

ユアン「クリストファーの家にプーが行って仲間をどうやったら見つけられるかなって言った時に、クリストファーが何年も森のことなんて考えなかったというようなことを言ってしまうんですよね。

それに対してプーは、僕たちはクリストファーのことを毎日考えていたよというふうに答えて、そこからクリストファーが去ったあとの木の扉がモンタージュに映っていく。

ペットを飼ってらっしゃる方は、出かけたときにわんちゃんとかが玄関のところに座って帰ってきてもそこに待ってるみたいな、ちょっとそれに近いような感じでプーがずっと待ってくれている、その姿というのが無条件の愛を僕は感じるんですよね。

途中でクリストファーがプーに対してちょっと切れちゃった時にすぐ謝る、もちろんプーは傷ついてしまっているんだけれども、それを無条件の愛で謝罪を受け止めるわけですよね。

だからなんとなく原作者A.A.ミルンが父親として自分の息子クリストファー・ロビンに対して物語を綴ったというのが原型なんだけれども、面白いことにクリストファーが森のキャラクターたちに対しては多分父親像みたいな、父親代わりみたいなところがあって、みんながアドバイスを必要な時は助けが必要な時は行く存在になっているのかもしれませんね。

父親的な存在無条件の愛というものではないでしょうか。」

 

『プーと大人になった僕』
2018年9月14日(金)日本公開

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