<地域No.1店舗の売れる秘訣・ケーズデンキ多摩ニュータウン店>多摩ニュータウンで高い知名度 決め手はスタッフの接客術

2015.2.9 10:36配信

2005年12月のオープン当時、ケーズデンキ多摩ニュータウン店の知名度は低かった。今では、地元の多摩ニュータウンでは同店を知らない住民がいないほどになっている。遠方からクルマで訪れる顧客も多く、白物家電では近隣の家電量販店のなかで圧倒的に多くの常連客を確保している。ベテランのスタッフによる顧客への手厚いサービスが、ブランド向上の決め手になっているようだ。

ケーズデンキ多摩ニュータウン店

店舗データ

住所 東京都八王子市別所2-39-5

オープン日 2005年12月

売り場面積 約4800m2

従業員数 約55人

●最大規模のニュータウンで常連客の確保を目指して開業

1960年代以降、稲城市・多摩市・八王子市・町田市にまたがる多摩丘陵で計画的に開発された日本最大規模の多摩ニュータウンは、今では20万超の人口に達している。京王線の京王堀之内駅や小田急多摩線の唐木田駅などがあって、鉄道で新宿や渋谷などに30分以内で行くことができるなど、都心へのアクセスは抜群だ。住民の大半は、ほかの地域から引っ越してきて、子どもが中学生や高校生で親が働き盛りというファミリーが多い。今は、ピークの頃と比べて人口の流入が落ち着いてきているが、ベッドタウンとして定着している。

家電量販店では、京王堀之内駅前にあるショッピングモールのビア長池にノジマ堀之内店が出店しているほか、八王子市別所のぐりーんうぉーく多摩にヤマダ電機テックランドNew八王子別所店がある。両店舗とも、ショッピングモールへの出店とあって、高い集客力をもっている。そんななか、単独店舗で展開しているのがケーズデンキ多摩ニュータウン店だ。ぐりーんうぉーく多摩の真向かいに出店している。

ケーズデンキ多摩ニュータウン店がオープンしたのは2005年12月。肥留間市郎店長は、「今はぐりーんうぉーく多摩をはじめ、多くの商業施設によって発展しているが、オープン当時は当店ぐらいしかなかった」と振り返る。年末商戦に合わせてオープンしたことと、大型の駐車場完備も奏功して、順調に顧客を獲得したものの、「買い物を目的に訪れる街ではなかったので、地元の方の来店が極端に少なかった」。しかも、多摩ニュータウンでケーズデンキの知名度が決して高いとはいえない状況。そこで、こだわったのが接客のあり方だった。

●しっかりと説明する接客が好評 他店との棲み分けを確立

接客によって知名度を高めたケーズデンキ多摩ニュータウン店では、「生活シーンに合わせた商品を勧めている」という。オープンした頃は価格競争が激しい時代で、なかには商品の機能を説明せずに価格の安さだけで勝負する競合店もあった。しかし、ケーズデンキ多摩ニュータウン店では値下げによる購入促進をできるだけ避けて、機能をわかりやすく説明することで商品のよさを訴求してきた。多摩ニュータウンには、働き盛りで共働きというファミリーが多く、ほかの地域に比べて所得が高いことから、「(値下げするよりも)時間をかけて、しっかりと説明する接客法が、お客様に評価された」と、肥留間店長はみている。

もう一つの強みはレジ担当者を中心に、オープン当時からこの店に勤めているスタッフが多いこと。オープン当時の経験があって、質の高い接客によって来店者を呼び込んだという経緯を知る人材だ。「オープンの頃から通ってくださっているお客様に、信頼して来店していただいている」(肥留間店長)。この地域をよく知るベテランスタッフが揃っていることが、常連客の確保につながっているのだ。

サポートのていねいさも顧客からの評価が高い。とくに、パソコンのトラブル対応や修理を行うピーシーデポコーポレーションとの協業で実現している「パソコンクリニック」は、「パソコンにあまり詳しくないお客様が、気軽にパソコンを持ち込んだり、質問したりできるということで、利用してくださる」(肥留間店長)そうだ。

品揃えに関しては、「この辺りでは他店に負けない」と、肥留間店長は断言する。売り場面積の小さい店舗ではメーカーや機種を絞って販売しているが、ケーズデンキ多摩ニュータウン店では、約4800m2の広い売り場面積を生かして、各メーカーの上位機種から下位機種までを揃えている。製品比較ができ、「上位機種を購入されるお客様が多い」とのこと。最近では、ダイソンのスティック型クリーナーや各メーカーの4Kテレビが人気という。

ケーズデンキ全体で実施していることで、最近になって増えているのが特別社販。社員自らが使うことが前提の社員販売で、「実際に使ってみると、お客様に対して自分の体験をもとに商品のよさを伝えることができる。接客のスキルを高めるために、スタッフが積極的に活用している」(肥留間店長)。近隣に競合店があるが、人材の育成・強化を追求する取り組みで、「他店との差異化ができている」と言い切るほどになった。多摩ニュータウンで、ケーズデンキのブランドを確立したということだ。

●店長が語る人気の理由――肥留間市郎 店長

ケーズデンキ多摩ニュータウン店の立ち上げ時に副店長として現場を指揮したが、2年ほどで異動となり、埼玉や群馬、千葉など、さまざまな地域を経験した。昨年2月に店長として戻ってきた。驚いたのは、「オープン時のスタッフが多く残っている」ということだった。接客にこだわるオープン時のDNAが根強く残っていることをうれしく思った。その頃の常連客が今も来店してくれていることにも驚くとともに感謝している。

家電量販業界は、オーバーストア化との見方が強く、激しい競争の末に閉店した店舗も少なくない。そんななか、競合店に負けないのは「優秀なスタッフがいるからだ」と考えている。

※本記事は、ITビジネス情報紙「週刊BCN」2015年2月2日付 vol.1565より転載したものです。内容は取材時の情報に基づいており、最新の情報とは異なる可能性があります。 >> 週刊BCNとは

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