東芝ブースでは「TransferJet」をメインに押し出していた

カメラの総合イベント「CP+2015」は、最先端のカメラだけでなく、カメラの周辺アイテムも数多く集まる。そのなかで、デジタルカメラになくてはならないのがコンパクトフラッシュ(CF)やSDカードなどのメモリカードだ。東芝のブースでは、最新のSDカードや、無線転送技術などの写真共有ツールが展示され来場者の注目を集めていた。

東芝は、NAND型フラッシュメモリとHDDの両方を自社で製造している唯一のメーカーだ。記録メディアだけではなく、PCのほか、生活家電などを開発し、過去には自社製のスマートフォンをもっていたほど、高い技術力をもっていることは周知の事実だ。

昨年まで東芝はメモリーカード規格を策定する規格団体「SDアソシエーション」のブースに製品を出品していたが、今年は独立して自社ブースを構え、最新のUHS-IIカードや、「FlashAir」などを展示した。

東芝の技術の粋を込めた最新モデルがUHSスピードクラス3に対応したUHS-II SDHCカードだ。UHS-IIはSDメモリカードの高速転送規格で、理論値最大312MB/秒という高速データ転送を実現する。これだけ速いデータ転送速度があれば、容量の大きいRAWデータも快適に書き込むことができる。ブースでは連続撮影のデモンストレーションが行われ、デジタルカメラの連写撮影が比較的長い時間持続することが確認できた。

デジタルカメラなどで撮影した写真を共有できるツールとしては、人気の無線LAN内蔵の「FlashAir」の第3世代モデルを展示していた。「FlashAir」は、デジタルカメラをケーブルにつないだり、カードをカメラから取り出すことなく、撮った写真をその場でスマートフォンやタブレット端末などと共有できるSDメモリカードだ。

第3世代モデルは、新たにローカルサーバー機能を搭載した。PCのエクスプローラーなどから、カードにワイヤレスでアクセスし、ドラッグ&ドロップで画像を転送することができる。

さらには、NFC(近距離無線通信)を内蔵した新しいSDメモリカード「SD-NFC」シリーズも出品していた。カード表にスマートフォンのNFC部分を近づけると、カード内の画像のサムネイルを16枚まで表示して、どんな画像が中に入っているかを確認できる。

「FlashAir」のように、カード内の写真をスマートフォンに転送することはできないが、手軽にカードの中身を確認できるのが特徴だ。カードの残量を確認したり、カードに名前を設定できるので、カードを使い分けたい人には便利だ。

このほか、「TransferJet」を内蔵したSDメモリカードやスマートフォンやタブレット端末と接続するマイクロUSBアダプタ、iPhone/iPadと接続するLightningアダプタも並んでいた。

「TransferJet」は、近接無線転送技術の一つで、理論値で560Mbps(最大実効レート375Mbps)の高速データ転送を実現する。この技術を使うと、PCやスマートフォン、タブレット端末などの間で、写真や動画などの大きな容量のデータを瞬時に受け渡しできるという優れものだ。

「TransferJet」があれば、インターネット環境がない場所でも、お互いのメールアドレスなどを知らなくても、必要なデータだけを転送できるので、コミュニケーションツールとして、さまざまなシーンで活躍しそうだ。