人間の不規則な生活が、猫の生活にも影響する?

「猫は本来夜行性」などともいわれます。しかし、飼い猫の生活を見ていると、昼間は日なたを求めて起き出してきたり、昼寝場所を争ってケンカしたり、人間の睡眠時間や行動に合わせて柔軟に対応していたり…と、夜に活動するとは限らないのが実情ではないでしょうか。

1日16時間寝るという説もありますから、細切れに起きている時間は寝起きで元気なため、単に「人間が眠くなる夜にも活動的な瞬間があるから、その印象が強い」だけなのかもしれません。その真偽はさておき、人間とともに暮らす猫は、人間の生活に合わせて活動しています。すなわち、人間の生活が不規則になれば、猫の生活も不規則になるわけです。

深夜に帰宅して、眠っていた猫を起こして相手をさせたり、長時間空腹になっていたところへ、ドカ食いをさせたりするような「不規則な生活」は猫にとってもよくありません。

あまりそういう生活が続くと、ネコはストレス性の下痢や嘔吐などを起こすこともあります。ネコの体調の変化は、「飼い主さん、そろそろ不規則な生活はやめて」という声なき叫びかもしれません。
(『ネコの本音の話をしよう』P66より)

「夫婦は合わせ鏡」とか、「子は親の鏡」とはよくある言い回しですが、「猫は飼い主の鏡」とも言えるかもしれませんね。人間の生活が、そのまま猫の体調や生活に影響を与えてしまうとの意識も、「ネコミュニケーション」の向上に役立ちそうです。

 

遊び=狩猟本能の現れ!そのコツは「短期集中」

わが家の猫たちは、ともに7歳。成猫とはいえ、遊び盛りで、こうして記事を書いている最中も「青白い光の前に、何時間も同じ体勢で佇んでいるのは、猫の目から見ると不自然極まりないから、そんなことよりも私の相手をせよ」といった目で、こちらを見つめることもしばしばです。もちろん勝手なアテレコではありますが。

しかし、集中力を途切れさせたくないときや、どうしても手が離せないときもあり、なかなか、猫の遊び欲求を満たせず、長い時間待たせてしまうことも。そのような状況での猫対応のコツがこちら。

「遊び」は狩猟本能による狩りへの衝動を「狩り」の代わりに刺激して満足させるために重要なことなのです。
(『ネコの本音の話をしよう』P51より)

長い時間遊ぶ必要はないのです。ネコもそう長くは集中力が続きません。5分?15分、週に数回でいいので、ぜひ一緒に遊んであげてください。
(『ネコの本音の話をしよう』P52より)

チーターやライオンの狩り、そして猫がネズミを生け捕るシーンを思い浮かべると、ネコ科の狩りは「短期戦」です。遊びの欲求の根源が「狩り」にあるとすれば、その集中力が続く時間もそれほど長くないはず。追いかけっこをしたり、かくれんぼに付き合ったり、思い切って15分ほどの時間を猫遊びに充てれば、猫はすぐに満足し、人間のほうも作業に集中できるようになるわけですね。

実際にやってみたところ、わが家の猫たちも、15分ほど思いっきり遊ぶと、その後は遊びの催促に来ることもなく、コテンと眠ってしまいました。