Presentation licensed by Disney Concerts. (c) Disney Presentation licensed by Disney Concerts. (c) Disney

ディズニーの名曲を、ブロードウェイなどで活躍する歌手たちと一流オーケストラとのライブ演奏で送る「ディズニー・オン・クラシック~まほうの夜の音楽会2018」。9月22日(土)の開幕に先立って、ゲネプロが行われた。

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毎秋に開催され、年によって変わる様々な趣向も人気のこのコンサート。今年は、去る4月に35周年を迎えた東京ディズニーリゾートの“35周年テーマソング”である〈Brand New Day〉で、第一部が華やかに開幕。

さらに、初の試みとして、今からちょうど90年前の1928年に作られた、ミッキーマウスの正式な映画デビュー作『蒸気船ウィリー』を、オーケストラの演奏と共に上映。いたずら好きのミッキーの冒険が、映像と音楽で綴られるさまがとにかく楽しい。牛や鳥の声は歌手たちが表現! 

続いて、2002年の「ディズニー・オン・クラシック」誕生以来15年以上、タクトを振っている指揮者ブラッド・ケリーも「ディズニー・オン・クラシック史上、最も豪華なセレクション」と語る「アラン・メンケン・セレクション」。『リトル・マーメイド』より、人魚姫アリエルが人間に憧れ夢をふくらませる〈パート・オブ・ユア・ワールド〉、『美女と野獣』から、ベルとビーストの愛がゆっくりと花開いていく〈美女と野獣〉、『ポカホンタス』のヒロイン・ポカホンタスがジョン・スミスに自然界の魅力を説く〈カラー・オブ・ザ・ウィンド〉、異なる世界に生まれ育ったラプンツェルとフリンが巡り会い、新たな世界を謳う『塔の上のラプンツェル』の〈輝く未来〉、アラジンとジャスミンが空飛ぶ絨毯の上で愛を語り合う『アラジン』の〈ホール・ニュー・ワールド〉……。改めて、アラン・メンケンの楽曲が、その豊かに広がる音楽でもって夢や希望を雄弁に描いていることがよくわかるだろう。

第一部のフィナーレは、「オーケストラと光のコンチェルト」。東京ディズニーシーのアクアスフィア・プラザで流れる、冨田勲作曲のデイタイムの音楽だ。明るい光の中を散策するような美しい曲にしばし酔いしれる。

第二部では、映画『ヘラクレス』をフィーチャー。語り部のミューズ達が歌うゴスペル調の音楽に誘われ、ゼウスとヘラの息子として生まれながら、冥府の神ハデスの謀略によって人間界に落とされたヘラクレスの物語が展開。怪力を持て余し自信が持てずにいたヘラクレスが、やがて愛を知り真の英雄へと成長するさまが、スクリーンの前での歌手達の生き生きとした歌&演技と、オーケストラの瑞々しい音色によって体現される。舞台と客席が一体となって盛り上がる演出も。

なお、今回でブラッド・ケリーは「ディズニー・オン・クラシック」を卒業し、ジャズを中心とした新しいディズニーコンサート「ディズニー・ワールド・ビート!」を始動する。16年間の集大成と言うべき珠玉のコンサートをじっくりと味わいたい

公演は9月22日(土)東京・文京シビックホールを皮切りに、全国で上演。

取材・文:高橋彩子