「HiGH&LOW」の華はキャラ立ち! DTC&縦笛兄弟だけじゃない。あの重要人物も?

こんな感覚にさせてくれるのは、「HiGH&LOW」シリーズの魅力のひとつである、個性豊かなキャラクター造形があってこそ。ぶっ飛んだ設定や展開の中で、人間味あふれるキャラクターが息づいています。

今作も、「HiGH&LOW」シリーズを通して形作られてきた、ダン、テッツ、チハルそれぞれの“らしさ”が全開。これも、「HiGH&LOW」ワールドに帰ってきたという感覚に浸れるポイントです。

©2018「HiGH&LOW」製作委員会

女好きを前面に出していながらも、結局はいちばん人情味に厚いダン、なんだかんだ言ってモテるアイドル性の高いテッツ、そして一度こうと決めたら、形はどうあれ貫こうとするチハルと、キャラクターの魅力がストーリーの中に存分に活かされています。

もうひとつ特筆すべきなのは、シリーズを印象づけるナレーターの立木文彦さんが、俳優として参加していること。このキャスティングにも驚きました。

厳つさの中に優しいまなざしが見えるルックスに、渋くてカッコイイ声。さらに美声を活かしたシーンが盛りだくさんなんです。あの名フレーズを活かしたシーンもあって、めちゃめちゃ楽しいですよ!

印象的なワンカットシーン! 思い出すのはあの大ヒット作

ワンカットのダンスシーンは絢爛豪華! 脳裏をよぎるのは…

LDH所属のアーティストや俳優が大挙して出演する「HiGH&LOW」シリーズは、歌とダンスも見どころのひとつ。アクションのない『DTC湯けむり』でも、しっかり魅せてくれます。

中でも、ワンカットで撮影された豪華絢爛なダンスシーンは印象的。キャストとスタッフの皆さんの、音楽に対する強い愛情を感じるシーンです。

このダンスシーン、物語の中でも非常に重要な意味を持っているのですが、見ながら思い出した映画があります。それは、現在大ヒット中の『カメラを止めるな!』(以下『カメ止め』)。

たった2館だけの公開から始まり、全国累計200館以上、数々の映画賞を獲得したこの映画も、ワンカットで撮影された劇中作が、非常に大きな意味を持っています。

公開のタイミングから考えて、『DTC湯けむり』と『カメ止め』の間には、偶然のシンクロニシティが起きたのでしょう。この2作、もうひとつ共通点があるんです。

©2018「HiGH&LOW」製作委員会

『カメ止め』と『DTC湯けむり』、共通するのは“シンプルなメッセージ”

『カメ止め』と『DTC湯けむり』に共通すること、それは、伝えたいメッセージがとてもシンプルで、それがストレートに伝わってくること。

『カメ止め』は、非常に特徴的な構成で話題になっていますが、ここまで大ヒット作になった理由は、そこだけではないでしょう。伝えたいメッセージがシンプルで、全編見終わるとしっかりと胸に届いてくるところも大きいのではないでしょうか。

その点は、『DTC湯けむり』も共通しています。後半は、まさしく王道の人情もの。見ていて思わず目頭が熱くなるんです。心が温かくなる、まさしくハートウォーミングなストーリーになっています。

「HiGH&LOW」シリーズという枠の中で、とても大事なメッセージを、シンプルに届けてくれます。その点で、「HiGH&LOW」シリーズ初見の方の涙腺も崩壊させる底力を秘めているんです。