『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(C)2014 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.

今年のアカデミー賞授賞式のアメリカでの視聴率が、昨年より14%下がったことが判明した。授賞式の中継を見た人の数は、3460万人。エレン・デジェネレスがホストを務めた昨年の授賞式の視聴者数は4370万人だった。今年の視聴率は、過去10年間で3番目に悪い数字で、一番低かったのは2009年、次に低かったのは2008年だった。

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視聴率が下がった理由のひとつには、作品部門の候補作8作品のほとんどが、一般のアメリカ人が観ていないインディーズ映画であることがあると思われる。8作品の中で大ヒットと呼べるのは、北米で3億ドル以上の興収を上げた『アメリカン・スナイパー』と、昨年秋の公開以来、着実に8400万ドルまで数字を上げた『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』のみ。作品賞ほか4部門で受賞した『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』の北米興収はわずか3700万ドル。

自分が好きな映画がノミネートされているとオスカー授賞式が気になるというのは自然な心理で、『タイタニック』が受賞した年には、5725万人が授賞式中継にチャンネルを合わせている。

文:猿渡由紀